朗らか(読み)ホガラカ

デジタル大辞泉 「朗らか」の意味・読み・例文・類語

ほがら‐か【朗らか】

[形動][文][ナリ]
心にこだわりがなく、晴れ晴れとして明るいさま。「朗らか性格」「朗らかに話す」
明るく光るさま。日ざしが明るく、空が晴れわたっているさま。「朗らかな春の日」
「姿、秋の月の―に」〈後拾遺・序〉
広く開けて明るいさま。
木蓮の枝はいくら重なっても、枝と枝の間は―にいている」〈漱石草枕
「心―にかよいたる」〈霊異記・上〉
あいまいさがなく、はっきりしているさま。
「打ち忍び嘆きあかせばしののめの―にだに夢を見ぬかな」〈紫式部集
[派生]ほがらかさ[名]
[類語](1明朗陽気明るい気さく快活楽天的晴れやか気持ちよい快いかい快感快楽心地よい痛快小気味よい爽快快適壮快カンファタブルすがすがしいさわやか清新清爽晴れ晴れさっぱり楽しいうはうはほくほく笑いが止まらない嬉しい喜ばしい欣快きんかい愉快嬉嬉きき欣欣きんきん欣然きんぜん満悦ご機嫌上機嫌晴れ晴れしいぴちぴち生き生き活発からり根明ねあか心が躍る心が弾む心を躍らせる/(2晴朗晴れ晴れうららかうらうらのどか好天晴天春風駘蕩しゅんぷうたいとう明るい

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精選版 日本国語大辞典 「朗らか」の意味・読み・例文・類語

ほがら‐か【朗か】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( 「か」は接尾語 )
  2. 開けて明るいさま。広々とうち開けたさま。ひろがったさま。
    1. [初出の実例]「郊郭、顕敞とほからかにして、川野、膄潤とこえたり」(出典:大慈恩寺三蔵法師伝永久四年点(1116)二)
  3. 光がさして、明るいさま。明るく光るさま。
    1. [初出の実例]「身の光り朗(ホガラカニ)耀ること初日に同じきなり」(出典:西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)五)
  4. あいまいさがなく明らかなさま。
    1. (イ) ものによく通じ、よくわかるさま。聰明なさま。
      1. [初出の実例]「神衷を郭(ホカラカ)にして道に躰せり」(出典:大唐西域記巻十二平安中期点(950頃))
    2. (ロ) はっきりと認知できるさま。明瞭。分明。
      1. [初出の実例]「打忍びなげきあかせばしののめのほがらかにだに夢を見ぬ哉」(出典:紫式部集(1012‐17頃))
  5. 人の表情がはれやかで、さわやかなさま。気分が晴れて明朗なさま。
    1. [初出の実例]「かへる雁を鳴かせてなどこたへたれば、いとほがらかにうち笑ふ」(出典:蜻蛉日記(974頃)下)
  6. 遊里で、揚げずてにして来ない遊客の愚かしいさま。遊女の側からいう語。
    1. [初出の実例]「其ほがらかとは揚ずてにして置て、こなんだあほうなことをほがらかといふはいな」(出典:歌舞伎・傾城天の羽衣(1753)四幕)

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