竹生島(滋賀県)(読み)ちくぶしま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「竹生島(滋賀県)」の意味・わかりやすい解説

竹生島(滋賀県)
ちくぶしま

滋賀県北東部、琵琶湖(びわこ)北部に浮かぶ島。長浜市(ながはまし)に属する。面積約0.14平方キロメートル。周囲約2キロメートル、最高点198メートル。石英斑(はん)岩からなり、北東部には岩礁の竹生小島をもつ。全島タケスギマツなどの緑樹で覆われ、古来より仙境、霊境として信仰を集め、社寺以外に民家はない。浅井姫を祭神とする都久夫須麻神社(つくぶすまじんじゃ)(本殿は伏見(ふしみ)桃山城の遺構といわれ、国宝)や、西国三十三所第30番の札所である天台宗宝厳寺(ほうごんじ)がある。宝厳寺は日本三弁天の一つとされ、その唐門は国宝。2000年(平成12)には三重塔が再建された。古くから歌枕(うたまくら)として詠まれ、謡曲『竹生島』などでも知られる。琵琶湖八景にも「新緑・竹生島の沈影」とあり、琵琶湖国定公園のなかでも屈指の景勝地、また島全体が国の史跡・名勝に指定されている。彦根(ひこね)、長浜、近江今津(おうみいまづ)、海津大崎(かいづおおさき)などの港から観光船が通じる。

高橋誠一


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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