(読み)ホウ

デジタル大辞泉 「苞」の意味・読み・例文・類語

ほう〔ハウ〕【×苞】

花あるいは花序の付け根に出る葉。芽やつぼみを覆って花を保護する。うろこ状や花びら状となるものもある。包葉
[類語]木の葉枝葉草葉葉っぱ押し葉葉身葉脈葉柄葉末托葉単葉複葉葉序双葉若葉若緑新緑万緑青葉紅葉こうよう紅葉もみじ黄葉照り葉落ち葉落葉枯れ葉朽ち葉病葉わくらば松葉

つと【×苞/苞苴】

《「つつ」と同語源》
わらなどを束ねて、その中に食品を包んだもの。わらづと。
その土地産物。また、旅のみやげ。
冥途よみじの―ともたらし去らしめんこと思えば」〈露伴五重塔
「宮この―にいざといはましを」〈古今東歌

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精選版 日本国語大辞典 「苞」の意味・読み・例文・類語

つと【苞・苞苴】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「つつむ(包)」と同語源 )
  2. わらなどを束ねて、その中に魚・果実などの食品を包んだもの。わらづと。あらまき。
    1. 苞<b>①</b>〈成形図説〉
      成形図説
    2. [初出の実例]「沖行くや赤ら小船に裹(つと)遣らばけだし人見て開き見むかも」(出典万葉集(8C後)一六・三八六八)
  3. 他の場所に携えてゆき、また、旅先出先などから携えて帰り、人に贈ったりなどするみやげもの。
    1. [初出の実例]「消(け)残りの雪にあへ照るあしひきの山橘を都刀(ツト)に摘み来な」(出典:万葉集(8C後)二〇・四四七一)
  4. 旅行に携えてゆく、食糧などを入れた包み物。あらかじめ準備して持ってゆくもの。
    1. [初出の実例]「なむあみだ仏なむあみだ仏と申て候は、決定往生のつととおぼえて候なり」(出典:一言芳談(1297‐1350頃)下)

ほうハウ【苞・包】

  1. 〘 名詞 〙 花序に出る葉。芽やつぼみをおおって花を保護する。残続性のあるものでは普通花や花柄基部に残っている。包葉。〔植学啓原(1833)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「苞」の意味・わかりやすい解説


つと

藁(わら)や葦(あし)、竹の皮などを束ねたり、編み束ねてつくった容器で、中に食糧、魚や果実などの食品を包み入れて持ち運んだ。わらづと、荒巻きなどともいう。旅行用に準備した食糧を入れたりしたほか、出先への贈り物を包んで携行したり、帰りには土産(みやげ)物を入れたりしたので、土地の名産物や土産物をいうようにもなり、家への土産を家づとという。

[宇田敏彦]

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百科事典マイペディア 「苞」の意味・わかりやすい解説

苞【ほう】

包葉

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