デジタル大辞泉
「茅」の意味・読み・例文・類語
ち【×茅】
チガヤの古名。
「浅茅原―生に足踏み心ぐみ我が思ふ児らが家のあたり見つ」〈万・三〇五七〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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かや【茅・萱】
- 〘 名詞 〙
- ① 屋根を葺(ふ)くのに用いるイネ科、カヤツリグサ科の大形草本の総称。主としてススキ、チガヤ、スゲなどが用いられる。茅根。茅草。《 季語・秋 》
- [初出の実例]「爾に即ち其の海辺の波限(なぎさ)に鵜の羽を以ちて
草(かや)と為て産殿を造りき。〈略〉〈波限を訓みて那芸佐と云ふ。葺草を訓みて加夜(カヤ)と云ふ〉」(出典:古事記(712)上) - 「取り葺ける草(カヤ)の噪き〈略〉なく」(出典:延喜式(927)祝詞(九条家本訓))
- ② 「すすき(薄)」の異名。
- [初出の実例]「芒(カヤ)すすき 地筋(カヤ)(〈注〉ヂヂョ)、異名菅根、土筋、菅茅、黄茅」(出典:八丈実記(1848‐55)土産)
茅の語誌
( 1 )元来は①のように総称だったので、「延喜式・祝詞」に見られるように「草」をあてることもあった。「茅」は「ち」で、「ちがや」を指すが、「ちがや」は屋根をふく草の代表的なものなので、「かや」にあてられた。
( 2 )「萱」は本来、ユリ科の植物カンゾウ、一名ワスレグサで、「かや」の意に用いるのは誤り。「和名抄」「名義抄」などに「かや」とよむ文字は「萓」。字形が似ているところから、後世誤ったもの。
ち‐がや【茅・茅萱・白茅】
- 〘 名詞 〙 イネ科の多年草。各地の草地や荒地に群生する。高さ約六〇センチメートル。葉は線形で先がとがる。晩春、葉に先だって白い絹状毛を密生した長さ一〇~二〇センチメートルの円柱形の花穂を出す。花穂を「つばな」または「ちばな」といい、古くは火口(ほくち)に用いた。根茎は利尿剤・止血薬などに使用。「千(チ)」のカヤの意で、叢生するさまからこの名がある。漢名、白茅。ち。ふしげちがや。しげちがや。《 季語・秋 》
▼ちがやの花《 季語・春 》
- [初出の実例]「天(あめ)なるや神楽良(ささら)の小野に茅草(ちがや)刈り草(かや)刈りばかに鶉(うづら)を立つも」(出典:万葉集(8C後)一六・三八八七)
- 「夕風や茅萱折ふす霜のさへ」(出典:俳諧・春鴻句集(1803頃)冬)
かえ【茅】
- 〘 名詞 〙 「かや(茅)」をいう上代東国方言。
- [初出の実例]「かしこきや命(みこと)かがふり明日ゆりや加曳(カエ)が共(むた)寝む妹(いむ)無しにして」(出典:万葉集(8C後)二〇・四三二一)
ち【茅】
- 〘 名詞 〙 植物「ちがや(茅)」のこと。《 季語・秋 》
- [初出の実例]「敦く茅(チ)荻(すすき)を敷きて」(出典:日本書紀(720)仁徳六二年是歳(北野本訓))
ちい【茅】
- 〘 名詞 〙 植物「ちがや(茅)」の異名。
- [初出の実例]「始めて牙を生ずる茅(チイ)草或は小草の花」(出典:蘇悉地羯羅経寛弘五年点(1008)上)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「茅」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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茅 (チガヤ・チ)
学名:Imperata cylindrica
植物。イネ科の多年草,薬用植物
茅 (カヤ)
茅 (カヤ)
出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報
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