普及版 字通 「見」の読み・字形・画数・意味
見
常用漢字 7画
[字訓] みる・あらわれる
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 象形
目を主とした人の形。卜文に耳を主とした人の形があり、それは聞の初文。見・聞は視聴の器官を主とする字であるが、見・聞の対象は、霊的なものに向けられていた。見は〔説文〕八下に「るなり」とあり、(視)るとは神(示)を見ることである。新しい父母の位を拝することを親という。〔詩〕には、「瞻(み)る」(見めぐらす)、〔万葉〕には「見る」「見れどかぬ」という定型的な表現があって、その対象と霊的な関係をもつことを意味する。
[訓義]
1. みる、みえる。
2. あらわれる、あらわす。
3. まみえる、あう。
4. みとめる、しる、かんがえる。
5. 現と通じ、いま、現在。
6. 受身をあらわす。る、らる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕見 ミル・ミユ・マミユ・シメス・イマ・ヱラム・ワレ・イチジルシ・セラル・アラハス・アラハル・サトル 〔立〕見 セラル・サブラフ・イチジルシ・サトル・アラハル・ウツツナリ・シメス・メヅラシ・シムルナリ・マタシ・マミユ・ミル
[部首]
〔説文〕に・(観)・覽(覧)・親など四十四字、次の部に三字を属する。〔玉〕には見部九十七字。見部の字のうち金文にみえるものには、儀礼に関する字が多い。
[声系]
〔説文〕に見声として俔・硯など十字を収める。硯はまた(研)に作り、の方がその声義にあう。
[語系]
見・現hyanは顯(顕)xianと声義が近い。〔説文〕九上に顯を「頭のなり」とするが、〔爾雅、釈詁〕に「見(あら)はる」とするのがよく、霊が現われる意。日の形は玉。それに呪飾をつけ、憑代(よりしろ)として霊を招き、その現われた霊を拝するのを顯という。現はその呪飾を省いた形。見・現・顯は一系の語である。
[熟語]
見哀▶・見員▶・見役▶・見駕▶・見解▶・見学▶・見額▶・見幾▶・見危▶・見棄▶・見機▶・見義▶・見教▶・見金▶・見恵▶・見功▶・見効▶・見行▶・見刻▶・見今▶・見在▶・見歯▶・見事▶・見示▶・見識▶・見羞▶・見小▶・見証▶・見象▶・見説▶・見説▶・見銭▶・見素▶・見短▶・見地▶・見知▶・見任▶・見背▶・見聞▶・見兵▶・見面▶・見容▶・見竜▶・見糧▶・見臨▶
[下接語]
異見・意見・一見・引見・隠見・謁見・延見・遠見・横見・憶見・臆見・我見・外見・概見・罕見・管見・眼見・窺見・今見・愚見・後見・高見・再見・細見・裁見・散見・私見・賜見・時見・識見・実見・邪見・習見・巡見・初見・所見・書見・親見・政見・省見・接見・先見・浅見・素見・相見・創見・想見・総見・俗見・他見・卓見・達見・短見・知見・兆見・朝見・定見・洞見・拝見・博見・発見・披見・卑見・鄙見・必見・見・表見・見・聞見・見・僻見・偏見・望見・未見・妙見・予見・利見・了見・露見
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報