出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
(1)平面上の各点Pに対し,Pをその平面上の一定点Oのまわりに一定角θだけまわした点をP′とするとき,PをP′にうつす対応を平面上の回転といい,Oを回転の中心,θを回転角という。空間の各点Pに対し,Pを一定直線lのまわりに一定角θだけまわした点をP′とするとき,PをP′にうつす対応を空間における回転といい,lを回転軸,θを回転角という。空間の1点Oに対し,Oを通る任意の直線を軸とする回転をOを中心とする回転という。平面の場合も,空間の場合も1点Oのまわりの回転の全体は合成を積として群をつくる。これを回転群という。この群は,平面の場合には可換群であるが,空間の場合にはそうではない。
(2)空間内に微分可能なベクルト場Vがあり,点(x,y,z)にベクトル(u,v,w)が対応しているとき,点(x,y,z)にベクトルを対応させることにより,新しいベクトル場が得られる。このベクトル場をベクトル場Vの回転といい,rotVまたはcurlVで表し,ローテーションVまたはカールVと呼んでいる。
→ベクトル解析
執筆者:中岡 稔
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
「ローテーション」のページをご覧ください。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…太陽の周りの惑星の運動のように,大きさを考えず1点で表した物体(質点という)が他の1定点の周りで行う円運動や楕円運動をいうこともあるが,大きさのある物体の(変形を別途に考えることにして)運動を,並進運動と回転の合成として取り扱う場合の後者を指すのがふつうである。例えば,机の上を転がる円筒を考えると,その運動は軸の平行移動とその周りの回転とを合わせたものとみなすことができる。この場合,各瞬間の運動を,円筒と机の接触線を軸とした回転と考えることも可能である。…
…天体がその重心を通る軸のまわりに回転する現象である。複数の天体が共通重心のまわりを回る公転に対する語。回転の軸を自転軸,1回の回転に要する時間を自転周期という。一般に自転の状態は,自転軸の方向と自転周期によって定まる。地球の自転の場合,自転軸は天の北極を向き自転周期は1恒星日である。 天体の自転周期の測定には,天体の種類に応じていくつかの方法がある。太陽系の天体で表面に模様が見える場合は,その移動を観測して決める。…
…これに対し一般の平行座標系を斜交座標系skew coordinatesという。直交座標系では両座標軸の正の向きは,x軸を原点Oのまわりに時計の針のまわる向きと反対の向きに90度回転したときに,x軸の正の向きとy軸の正の向きが一致するように選ばれているのが通常である。このとき,両座標軸により分かたれる平面の四つの部分のおのおのを象限といい,図4のI,II,III,IVの部分を第1,第2,第3,第4象限という。…
…これを座標系の平行移動という。また,両座標系が同じ点Oを原点とする直交座標系で,I,JをOのまわりにθだけ回転した位置にI′,J′があるときは(図2),座標変換式は,となる。これを座標系の回転という。…
…S上の点でのベクトル場Fのn成分をFnと書くことにし,なる面積分を定義して,これをSを通過するベクトル流vector fluxという。
[勾配,発散,回転]
スカラー場φ(x,y,z)が与えられたとき,(∂φ/∂x,∂φ/∂y,∂φ/∂z)を成分とするベクトル場をφの勾配,あるいはグラディエントgradientと呼び,▽φ,またはgradφで表す。ベクトル場F=(Fx,Fy,Fz)に対して,で定義されるスカラー場divFをFの発散といい,またx,y,z方向の単位ベクトルをそれぞれi,j,kとするとき,で定義されるベクトル場rotF(curlFとも書く)をFの回転という。…
※「回転」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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