奥床しい(読み)オクユカシイ

デジタル大辞泉 「奥床しい」の意味・読み・例文・類語

おく‐ゆかし・い【奥床しい】

[形][文]おくゆか・し[シク]
深み品位があって、心がひかれる。深い心遣いが感じられて慕わしい。「人柄が―・い」
《「奥行かし」で、心がひかれる意から》奥にひそむものに強く心がひかれる。さらによく知りたい。→ゆかしい
「いつしか聞かまほしく―・しき心ちするに」〈大鏡・序〉
[派生]おくゆかしがる[動ラ五]おくゆかしげ[形動]おくゆかしさ[名]
[類語]ゆかしい優雅優美高雅典雅風雅優形やさがた上品しとやかたおやかみやびやかみやび女性的エレガントドレッシー女らしい女女めめしい女くさい女振り女っ気婉麗えんれい優優典麗麗しい静淑優婉閑雅婉然楚楚そそ窈窕ようちょう端麗温雅物柔らか気高い気品雅趣高尚つつましいつつましやかしおらしい清雅高踏雅致﨟長ろうたけるみやびる端雅都雅やんごとない高貴

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精選版 日本国語大辞典 「奥床しい」の意味・読み・例文・類語

おく‐ゆかし・い【奥床】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]おくゆか〘 形容詞シク活用 〙 ( 「ゆかし」は「行かし」で、心がひかれる意 )
  2. その奥にあるものに心がひかれる。その先が見たい。その先を聞きたい。その先を知りたい。
    1. [初出の実例]「あはれに、おぼつかなく思しわたることの筋を聞ゆれば、いとおくゆかしけれど」(出典:源氏物語(1001‐14頃)橋姫)
  3. 深い心づかいが見えて、なんとなく慕わしい。深い思慮があるように見える。上品で深みがあり、心ひかれる。
    1. [初出の実例]「ざれくつがへる今やうのよしばみよりは、こよなうおくゆかしうとおぼさるるに」(出典:源氏物語(1001‐14頃)末摘花)

奥床しいの派生語

おくゆかし‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

奥床しいの派生語

おくゆかし‐さ
  1. 〘 名詞 〙

奥床しいの派生語

おくゆかし‐み
  1. 〘 名詞 〙

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