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国家行政組織法に基づき、総理府設置法(昭和24年法律第127号)により内閣総理大臣を長として設置された国の行政機関。1947年(昭和22)総理庁が設置され、49年総理府となった。2001年(平成13)1月の中央省庁再編により、経済企画庁、沖縄開発庁などとともに内閣府に統合された。
総理府の任務は、栄典に関する事務、各行政機関の施策および事務の総合調整、他の行政機関の所掌に属しない行政事務ならびに条約および法律(法律に基づく命令を含む)で総理府の所掌に属させられた行政事務を一体的に遂行することであった。
総理府の所掌事務は、各行政機関の事務の連絡に関すること、障害者基本法の規定に基づき、障害者のための施策に関する基本的な計画の案を作成すること、広報に関すること、世論の調査に関すること、男女共同参画社会基本法(平成11年法律第78号)第13条第3項の規定に基づき、同条第1項に規定する男女共同参画基本計画の案を作成すること、平和祈念事業特別基金等に関する法律の施行に関すること、古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法および明日香(あすか)村における歴史的風土の保存および生活環境の整備等に関する特別措置法の施行に関すること、動物の保護および管理に関する法律の施行に関すること、公文書館法の施行に関すること、国立公文書館法(平成11年法律第79号)の施行に関すること、栄典制度に関し調査し、研究し、および企画すること、勲位および勲章に関すること、褒章に関すること、記章その他の賞件に関すること、等であった。また、これらのほか、他の行政機関の所掌に属しない事務および条約または法律(法律に基づく命令を含む)で総理府の所掌に属させられた事務であった。
総理府は、これら所掌事務を遂行するため、法律(法律に基づく命令を含む)に従い、官報および法令全書の編集および印刷ならびに内閣所管の機密文書の印刷についての指揮監督、栄典の伝達、栄典の授与および剥奪(はくだつ)に関する審査等の権限を有していた。
内部部局として、大臣官房および賞勲局が置かれていた。審議会として港湾調整審議会、地方制度調査会、社会保障制度審議会等が、特別の機関として、日本学術会議、中央防災会議等、施設等機関として、国立公文書館および迎賓館、中央駐留軍関係離職者等対策協議会、公害対策会議、消費者保護会議、中央交通安全対策会議、阪神・淡路復興対策本部等が置かれていた。
また、総理府の外局としては、公正取引委員会、国家公安委員会、公害等調整委員会、金融再生委員会、宮内庁、北海道開発庁、防衛庁、経済企画庁、科学技術庁、環境庁、沖縄開発庁、国土庁、そして1984年に新設され、従来の総理府本府の事務の多くをその事務とするところとなった総務庁が置かれていた。2001年1月の中央省庁再編では、公正取引委員会、公害等調整委員会は総務省の外局に、北海道開発庁は運輸省などとともに国土交通省となり、科学技術庁は文部省と統合して文部科学省に、環境庁は環境省になったが、これらを除く事務は内閣府に引き継がれた(金融再生委員会は内閣府外局の金融庁に統合)。その後、2007年1月、防衛庁が防衛省となって内閣府から外れた。
[平田和一]
内閣総理大臣を主任の大臣とし,日本の行政組織を構成する13の府省のうち,建制順の筆頭に位置する行政機関。その組織は総理府本府と9大臣庁を含む12の外局に分かれる。総理府という言葉は,このうち総理府本府をさして使われることが多いが,行政組織法制上は外局を含む意味で用いられる。第2次大戦前は,内閣官房の機能と一体となっていた。1947年5月3日,日本国憲法施行の日に総理庁が設置され,49年6月総理府とされたが,84年7月に本府の大半が新設の総務庁に統合再編成された。総理府の任務は,栄典に関する事務,各行政機関の施策および事務の総合調整,他の行政機関の所掌に属しない行政事務ならびに条約および法律で総理府の所掌に属させられた事務である。総理府本府には,内閣総理大臣官房(総務,人事,会計3課のほか,内閣審議室,外政審議室,安全保障室,広報室,男女共同参画室,管理室等が置かれる)および賞勲局が置かれている。総理府本府にはさらに日本学術会議,国立公文書館,迎賓館等のほか,審議会等として社会保障制度審議会等,多数の機関が置かれている。なお,総理府に13ある外局とは,公正取引委員会,国家公安委員会,公害等調整委員会,宮内庁,総務庁,北海道開発庁,防衛庁,経済企画庁,科学技術庁,環境庁,沖縄開発庁,国土庁,金融監督庁(1998年6月新設)である。2001年の省庁再編により経済企画庁,沖縄開発庁を統合し内閣府となった。
執筆者:八木 俊道
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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