忽然(読み)コツゼン

デジタル大辞泉 「忽然」の意味・読み・例文・類語

こつ‐ぜん【×忽然】

[ト・タル][文][形動タリ]物事出現消失が急なさま。忽如こつじょ。こつねん。「忽然として消えうせる」
[副]にわかに。突然。
「―隣座敷時計がチーンと鳴り始めた」〈漱石・夢十夜〉
[類語]ひょっこり打ち付けぶっつけにわか出し抜け突然急遽きゅうきょ唐突短兵急不意俄然突如いきなり不意にふとふいとふっとついついついついとつとひょっとひょいはた思わず思わず知らず思いがけずはしなくはしなくも図らず図らずもやにわに時ならずたちま卒然やぶから棒寝耳に水突発的発作的反射的青天の霹靂へきれき

こつ‐ねん【×忽然】

[ト・タル][文][形動タリ]こつぜん(忽然)」に同じ。
「其のまなこの光に五体―と縮みて」〈木下尚江良人の自白

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「忽然」の意味・読み・例文・類語

こつ‐ぜん【忽然】

〘形動タリ〙 たちまちにおこるさま。にわかなさま。急なさま。突然。忽如(こつじょ)忽爾(こつじ)。こつねん。副詞的にも用いる。
家伝(760頃)上「内大臣某朝臣、不期之間、忽然薨謝」
浮世草子・浅草拾遺物語(1686)一「独(ひとり)の翁忽然と顕(あらわれ)て此娘を招(まねく)に」 〔荘子‐知北遊〕

こつ‐ねん【忽然】

〘形動タリ〙 (「ねん」は「然」の呉音) =こつぜん(忽然)
※妙一本仮名書き法華経(鎌倉中)五「龍女の忽然(コツネン)(〈注〉タチマチ)のあひだに、変じて男子(なんし)(〈注〉をのこ)となりて」

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普及版 字通 「忽然」の読み・字形・画数・意味

【忽然】こつぜん

たちまち。たちまちの中。〔荘子、知北遊〕人の天地に生くるや、白駒(はくく)の卻(げき)(隙(げき)、壁のすき間)をぐるが(ごと)し。忽然たるのみ。

字通「忽」の項目を見る

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