ひょっと(読み)ヒョット

デジタル大辞泉 「ひょっと」の意味・読み・例文・類語

ひょっ‐と

[副]
不意に。思いがけず。また、うっかり。「ひょっと立ち上がる」「ひょっと口に出す」
もしかして。万一
あなたは―、佐藤と云う男を知っちゃ居ませんか」〈風葉青春
物が突き出たり飛び出たりするさま。
「額の―出たも、かづきの着ぶりがよいものなり」〈浮・胸算用・二〉
[類語]はしなくもゆくりなくあいにく折あしく折もあろうにはしなく思わず思わず知らずうっかり知らず知らず無意識覚えず我知らず何気無しついついつい我にもなくうかうかうかと不覚不用意不意ふと思いがけず図らずも図らずふいとひょっこり打ち付けぶっつけにわか出し抜け突然唐突短兵急急遽きゅうきょ忽然こつぜん俄然突如いきなりふっとついとつとひょいはたやにわに時ならずたちま卒然突発的発作的反射的やぶから棒青天の霹靂へきれき寝耳に水万一たとえたといもし仮にもしかよしんばよしやもしも万一ばんいち万が一万万一もしやもしかしたらもしかするとひょっとするとひょっとしたらひょっとしてあるいはもしかしてどうかすると下手すると一つ間違えばことによるとあわよくばまかり間違うよもやまさか万万ばんばん夢かうつつ思いも寄らない思いのほか心外案に相違する意表を突く意表予想外意想外まぐれひょんなゆくりなし期せずして悪くすると事と次第による事によるとともするとややもすれば何かにつけ何かと言えば折に触れてもしくははたまたないし偶然たまさか時としてかも知れない慮外存外望外

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精選版 日本国語大辞典 「ひょっと」の意味・読み・例文・類語

ひょっ‐と

  1. 〘 副詞 〙
  2. その事態が必ずしも意図したものでないことを表わす語。
    1. (イ) 思いがけず。偶然。ふと。ちょっと。
      1. [初出の実例]「ひょっと巷の路次なんどでより合て」(出典:土井本周易抄(1477)四)
    2. (ロ) うっかり。考えなく。
      1. [初出の実例]「そなたは、よふみしりまらしたが、ひょっとみわすれて、れうじな事いたいた」(出典:天理本狂言・痩松(室町末‐近世初))
  3. ありうる事柄を仮定して、または危惧して述べるのに用いる語。もしも。万一。ひょっとして。ひょっとしたら。ひょっとすると。
    1. [初出の実例]「もしひょっとしに病請たり共」(出典:浄瑠璃・心中刃は氷の朔日(1709)中)
  4. 物が軽く突き出るさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「低歟とすれはひょっと高ぞ」(出典:史記抄(1477)三)
  5. ひょい
    1. [初出の実例]「手の平に載せた嵯峨あられをヒョッと手の甲を叩いて口の中へ飛び込ませてゐた兆木さんは」(出典:珍太郎日記(1921)〈佐々木邦〉一〇)

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