しゃんしゃん(読み)シャンシャン

デジタル大辞泉 「しゃんしゃん」の意味・読み・例文・類語

しゃん‐しゃん

[副](スル)
鈴などが続けて鳴る音を表す語。「しゃんしゃん(と)鈴を鳴らして馬車が通る」
大ぜいの人がそろって手を打つ音や、そのさまを表す語。多く、物事が円満に収まったことを祝ってする。「では、めでたくしゃんしゃんと手を締めましょう」
(比喩的に)物事が円満に収まること。多く、問題を棚上げにしたまま、見た目には円満に収めることを揶揄やゆしていう。「しゃんしゃん総会
肉体的に衰えを見せず、元気で活動しているさま。「年の割りにはしゃんしゃんしている」
仕事手順よく処理するさま。「しゃんしゃん片づける」
湯が沸き立つさま。
据風呂も―、かかり湯取って加減見て」〈浄・丹波与作
[類語](1しゃかしゃかじゃかじゃかじゃんじゃんじゃんじゃか/(4ぴんしゃんぴんぴんしゃんとしゃきっとしゃっきり不死身強靭タフ生き生き意気軒昂けんこう老健健やか強い元気健康丈夫無病息災無事健勝清勝壮健健全達者まめつつがない息災強壮強健頑健矍鑠かくしゃく/(5じゃんじゃんじゃかじゃかばかすかじゃかすかどんどんしゃきしゃきてきぱきすいすい

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精選版 日本国語大辞典 「しゃんしゃん」の意味・読み・例文・類語

しゃん‐しゃん

  1. [ 1 ] 〘 副詞 〙 ( 「と」を伴って用いることもある )
    1. 鈴などが、軽やかにゆったりと鳴る音を表わす語。馬につけた鈴の音にいうことが多い。
      1. [初出の実例]「春の野のやたらに広き白河原〈巴丈〉 から身で馬はしゃんしゃんと行〈露川〉」(出典:俳諧・ゆずり物(1695))
    2. 大勢で手を打つ音を表わす語。特に、事の決着がついたとき、手をうって喜ぶさま。
      1. [初出の実例]「中なをしすました、しゃんしゃんしゃんと諷ひ済て」(出典:浮世草子・色の染衣(1687)一)
      2. 「神前にて拍手をしゃんしゃんとうてば」(出典:咄本・寿々葉羅井(1779)禿)
    3. 湯がさかんに沸き立つさまを表わす語。しゅんしゅん。
      1. [初出の実例]「据風呂もしゃんしゃん」(出典:浄瑠璃・丹波与作待夜の小室節(1707頃)中)
    4. 体がしっかりしていて元気に立ち働くさまやてきぱきしたさまなどを表わす語。〔日葡辞書(1603‐04)〕
      1. [初出の実例]「すっかりふっきりまして、この通りしゃんしゃん歩けまする」(出典:歌舞伎・怪談月笠森(笠森お仙)(1865)三幕)
    5. 蝉などが盛んに鳴く声を表わす語。
      1. [初出の実例]「藪や山ではしゃんしゃん蝉が勇ましく鳴き出した」(出典:帰去来(1901)〈国木田独歩〉八)
  2. [ 2 ] 〘 感動詞 〙 手を打つとき、また、拳を打つときのかけ声。
    1. [初出の実例]「『松田さん一拳願ひませう』『オイキタ、シャンシャンシャン。そら勝た。シャンシャンシャン。又勝た。サア飲まぬか』」(出典:雪中梅(1886)〈末広鉄腸〉下)

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知恵蔵 「しゃんしゃん」の解説

シャンシャン

上野動物園(東京都台東区)で、2017年6月12日に生まれたメスのジャイアントパンダ。父親はリーリー(力力、05年8月16日生まれ)、母親はシンシン(真真、05年7月3日生まれ)で、いずれも同園で飼育されている。同園で誕生したパンダは、12年にシンシンが産んだ赤ちゃん(生まれて6日後に肺炎で死亡)以来、5頭目となる。
17年2月にシンシンとリーリーの交尾が確認され、5月中旬から、シンシンに妊娠の兆候が見られたため、同園は公開を中止していた。同園によると、シャンシャンは生まれてから順調に成長し、17年10月10日の身体測定では体重7.7キログラム、体長69.8センチメートルだった。歯も生えてきており、よちよち歩きもできるようになった。
上野動物園を管理する東京都が、17年7月下旬から8月上旬にかけて赤ちゃんパンダの名前を募集し、14日間で過去最多の32万2581件の応募が寄せられた。応募上位100点の中から、日本パンダ保護協会名誉会長で女優の黒柳徹子ら6人で構成する名前候補選考委員会の投票により、シャンシャンを含む候補8点に絞った。それから商標登録の調査や中国との協議を経て、最終的にシャンシャンに決まり、都が17年9月25日に発表した。都によると、「呼びやすく、花開く明るいイメージ」だという。応募数最多のルンルン(1万2154件)、次いでメイメイ(1万1191件)は、他の動物園のパンダに使われており、3位のノンノン(7854件)は商品名となっていた。
シャンシャンは生後6カ月となる17年12月ごろ、同園で一般客に公開される見通し。
東京都と中国野生動物保護協会は、共同でパンダの繁殖研究に取り組む協定を結んでおり、シャンシャンの両親は、有償で都が借り受けている。協定では、日本で生まれたパンダも中国に所有権があり、生後2年を超えると中国に返すと決められているため、シャンシャンは、2年をめどに中国に返還される。
同園での5年ぶりのパンダ誕生により、個人消費の活性化も期待されている。関西大学の宮本勝浩名誉教授は17年6月、入園者やグッズの売り上げ増加などパンダ誕生に伴う経済効果は、1年間で、東京都内で約267億円に上ると発表した。

(南 文枝 ライター/2017年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

知恵蔵mini 「しゃんしゃん」の解説

シャンシャン(香香)

上野動物園(東京都台東区)のメスのジャイアントパンダの名前。2017年6月12日に、同園で飼育されている父親のリーリー(力力)と母親のシンシン(真真)の間に生まれた。名前は公募により決定され、過去最多となる32万2581件の応募があった。選考では、日本パンダ保護協会の名誉会長を務める女優の黒柳徹子ら選考委員が、応募件数の上位100点から8点の最終候補を選び、中国側と東京都が協議した上で、漢字表記も含めて決定した。同名前は5161件の応募があり、最終候補8点の中では最多、総数のうちで8番目に多かった。生後6カ月を迎える同年12月頃に一般客にお目見えする見通し。

(2017-9-27)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

デジタル大辞泉プラス 「しゃんしゃん」の解説

シャンシャン

東京都台東区にある東京都恩賜上野動物園で2017年6月に誕生したジャイアントパンダのメス。漢字表記は「香香」。2023年2月、中国に移送。

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