デジタル大辞泉
「ブロック」の意味・読み・例文・類語
ブロック(Marc Bloch)
[1886~1944]フランスの歴史家。フランス中世農村社会史を専攻。第二次大戦中、ナチス抵抗運動に参加し、銃殺された。著「封建社会」「歴史のための弁明」など。
ブロック(bloc)
特定の目的のために結成された国や団体などの連合体。連盟。同盟。圏。
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ブロック
- 〘 名詞 〙 ( [英語] block )
- ① かたまり。「ブロック肉」
- [初出の実例]「机の上にあるのは厚いブロックをなした吸取紙である」(出典:春興倫敦子(1935)〈福原麟太郎〉英京雑記)
- ② 市街などの区画。街区。
- [初出の実例]「市の住宅地域の中心点二十ブロックは」(出典:風俗画報‐三四九号(1906)論説)
- ③ 鉄道で、列車間に一定の距離を保たせるための、信号を備えた小区画。閉塞区。
- ④ 「コンクリートブロック」のこと。
- [初出の実例]「ブロックを突堤に積上ぐる作業を」(出典:風俗画報‐二七五号(1903)大阪築港行幸)
- ⑤ 印刷で、版木をいう。
- ⑥ ( ━する ) =ブロッキング〔新語新知識(1934)〕
- [初出の実例]「相手にブロックされることも少いンだ」(出典:瀕死の青春(1957)〈井上友一郎〉四)
- ⑦ ( ━する ) 野球で、走者の本塁突入を相手チームの捕手が体で阻止すること。
- ⑧ おもちゃの積み木。
- ⑨ 磁気テープに情報を記録する場合、記録の効率を上げるためにいくつかのレコードをまとめたものをいう。磁気テープ装置での実際のデータの読み書きはこれを単位として行なわれる。
ブロック
- 〘 名詞 〙 ( [英語・フランス語] bloc )
- ① 政治や経済上の目的のために結びついた、団体や国家などの集団。
- [初出の実例]「労働者よりブロックの方が比較にならぬほど重大なんだ」(出典:海に生くる人々(1926)〈葉山嘉樹〉三)
- ② 団体や地域など、ひとまとまりになったものの一つ。「弁論大会の関東ブロック」
- [初出の実例]「それ以来、ブルジョワ・地主のブロックを代表する政府は」(出典:芸術運動に於ける前衛性と大衆性(1929)〈勝本清一郎〉)
ブロック
- ( Marc Bloch マルク━ ) フランスの歴史家。一九二九年リュシアン=フェーブルと共同して「経済社会史年報」を創刊。主著「フランス農村史の基本的性格」。(一八八六‐一九四四)
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ブロック
Marc Bloch
生没年:1886-1944
フランスの歴史家。父はソルボンヌのローマ史の教授であったギュスターブ・ブロック。エコール・ノルマル・シュペリウール卒業後,ドイツに留学した。ライプチヒではK.ビュヒャーに学んだ。1919年フランスに復帰して清新の気にあふれるストラスブール大学に赴任,L.フェーブルやG.ルフェーブルと相知る。29年にはフェーブルとともに《社会経済史年報》を創刊,新しい歴史学の創造へと熱意を傾注した。比較史の方法を駆使して,《奇跡をなす国王》(1924),《フランス農村史の基本性格》(1931),《封建社会》(1939-41)など,研究史上画期をなす名著を著し,日本のフランス史研究にも大きな影響を与えた。36年よりソルボンヌの経済史講座を担当した。第2次世界大戦下,レジスタンスの地下運動に加わり,ドイツ軍により逮捕・銃殺された。
→アナール学派
執筆者:二宮 宏之
ブロック
Petrus Johannes Blok
生没年:1855-1929
オランダの歴史家。デン・ヘルデル生れ。ライデン大学で古典学を修め,1884年フローニンゲン大学教授となる。ライデン時代の師であり,近代歴史学の確立者であったフラインR.Fruinの後を継ぎ,94年ライデン大学の歴史学教授に任ぜられ,オランダ史を講義した。国内,ことに国外にあるオランダ史史料の探索とその出版に尽力し,オランダの歴史学研究の水準を高めた。主著《ネーデルラント国民史》全8巻(1892-1907)のほか,《ライデン市史》(4巻)やオラニエ公ウィレム1世,総督フレデリック・ヘンドリック,提督デ・ロイテルを扱った著書などがある。師としてホイジンガに歴史研究をすすめ,フローニンゲン大学の歴史学教授に推薦した。
執筆者:栗原 福也
ブロック
Jean-Richard Bloch
生没年:1884-1947
フランスの作家。パリ生れ。ユダヤ人の世界をバルザック流の筆致で描いた小説《…会社》(1917)などでデビュー。少し遅れて劇作にも手を染め,《最後の皇帝》(1926)等々を書いている。しかし,ブロックの身上は何よりも両大戦間,とりわけ1930年代に,共産党所属の戦闘的で知的なヒューマニストとして華やかに反ファシズムの論陣を張ったことにある。なかでもジャン・カスーやジャン・ゲーノらとともに雑誌《ウーロープEurope》に拠っての活躍が目だつ。その他の著書には《現代をよりよく理解するために》(1920)や,一種の民衆演劇論《演劇の運命》(1930)や,《一文化の誕生》(1935)などがある。
執筆者:渡辺 淳
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
ブロック
フランスの中世史家。ストラスブール,ソルボンヌ,モンペリエの各大学教授を歴任。1929年L.フェーブルらと《社会経済史年報》を創刊,アナール学派とよばれる新しい歴史学の基礎を築いた。比較史的方法により中世領主制の解明に力を注いだ。第2次大戦に志願して従軍,対独抵抗運動に加わり,捕らえられて銃殺。主著《フランス農村史の基本的性格》《封建社会》。
→関連項目デュビー|ル・ゴフ
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ブロック
Marc Bloch
1886〜1944
フランスの社会経済史家
フランス中世農村社会史の研究を行い,1929年にL.フェーヴルらとともに「社会経済史年報」を創刊して新しい歴史学の流れを生み,アナール派の礎を築く。第二次世界大戦中にはヴィシー政府によりソルボンヌ大教授の職を罷免され,レジスタンス運動に関わる中,ナチスにより逮捕・処刑された。主要著作に『フランス農村史の基本性格』(1931),『封建社会』(1939〜41)などがある。
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
ブロック
広い意味で、データのまとまり、あるいは構成単位を表す語。データのまとまりであるレコードをさらにまとめたもの。記憶媒体においては、データをおさめる区画を指す。また、ワープロなどでは、文章の一部を選択したものを指す。その他に、プログラムを構成する単位を指すこともある。
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ブロック
生年月日:1907年6月18日
アメリカの言語学者
1965年没
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世界大百科事典(旧版)内のブロックの言及
【反ファシズム】より
…日独伊三国軍事同盟締結と大政翼賛会,大日本産業報国会の結成は,40年のことであったが,このときにはすでに反ファシズムの組織と言論は皆無に近かった。【鈴木 正節】
【国際的な反ファシズム文化運動】
国際的な反ファシズム文化運動の先駆としては,反戦を掲げてロマン・ロランとバルビュスが呼びかけ,ゴーリキー,アインシュタイン,ドライサー,ドス・パソスらが発起人に名を連ねる,1932年8月アムステルダムの国際反戦大会に29ヵ国2200名を集め,翌年パリで第2回大会を開催した〈アムステルダム・プレイエル運動〉,フランスの急進社会党代議士ベルジュリが主唱し,J.R.ブロック,ビルドラックらの協力した33年5月結成の〈反ファシズム共同戦線〉,ジッド,マルローらによる〈革命作家芸術家協会〉の33年における反ファシズム運動などがあげられる。しかし,それが政治的立場を超えた知識人の統一運動として定着するのは,34年の2月6日事件をまたなければならない。…
【封建社会】より
…したがって,封建制度をどう理解するかによって,どの時代,どの社会を封建社会とみるかも変わってきうる。封建社会についての最も代表的な研究は[M.ブロック]の《封建社会La Société féodale》2巻(1939,40)であるが,ここでは13世紀までの西ヨーロッパ中世社会が取り扱われ,レーン制や農奴制のほかに,イデオロギーのあり方,教会や修道院の位置づけ,法制や裁判のあり方,都市の問題,生活様式などが総合的に分析されている。封建社会の基本的な特色としては,次の諸点をあげうるであろう。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」