リチャードソン(Henry Handel Richardson、小説家)(読み)りちゃーどそん(英語表記)Henry Handel Richardson

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

リチャードソン(Henry Handel Richardson、小説家)
りちゃーどそん
Henry Handel Richardson
(1870―1946)

オーストラリアの女性小説家。本名ロバートソンEthel Florence Lindesay Robertson。メルボルンで医師の子として生まれる。ピアノの勉強に3年間ドイツ留学中、スコットランド人のドイツ文学者J・G・ロバートソンと結婚(1895)。以後帰国は1912年1回だけで、イギリス定住処女作『モーリス・ゲスト』(1908)はサマセット・モームに推賞された。男性的筆名と自然主義流の力強い文体のため、よく男性作家と間違われた。代表作『リチャード・マーニーの運命』はアイルランド人の医師である父の生涯に取材した雄大な三部作で、1917、25、29年にロンドンで出版された。ほかに『身をたてるには』(1910)、『子供時代の終りその他の短編』(1934)など、自伝的な作品が多い。

[平松幹夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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