三国峠(群馬・新潟県境)(読み)みくにとうげ

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

三国峠(群馬・新潟県境)
みくにとうげ

群馬と新潟の県境三国山脈にある峠。標高1244メートル。旧三国街道の通路で、南麓(なんろく)に永井宿、北麓に浅貝(あさかい)宿があり、長岡新発田(しばた)など五大名と佐渡奉行(ぶぎょう)の通行および越後(えちご)米、海産物などの輸送、また上杉謙信も兵を率いて通過、戊辰(ぼしん)戦争の戦闘も行われた。峠には三国街道の守護神である三国権現(ごんげん)(上野(こうずけ)の赤城(あかぎ)明神、越後の弥彦(やひこ)明神、信濃(しなの)の諏訪(すわ)明神)を祀(まつ)る祠(ほこら)と鳥居があり、眺望はたいへんよい。信越本線、ついで上越線開通後峠の通行者は激減したが、1959年(昭和34)峠の下を三国トンネルが貫通し、国道17号として交通量がきわめて多い。トンネル入口より登ると約20分で峠に達し、廃道化した旧三国街道のおもかげをみることができる。

[村木定雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例