京(漢字)

普及版 字通 「京(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 8画

[字音] キョウ(キャウ)・ケイ
[字訓] みやこ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
アーチ状の門の形。上に望楼を設ける。これを軍営や都城の入り口に建てた。〔説文〕五下に「人の爲(つく)る(はなは)だ高き丘なり。高の省に從ふ。(こん)は高き形に象る」とするが、字は高丘の形でなく、上部も屋根の形である。〔呂覧、禁塞〕に「京丘を爲(つく)ること、山陵の(ごと)し」とあり、〔高誘注〕に、戦死者の屍を中に塗りこんで「京(けいくわん)」を築き、これを京丘とよんだのであるという。〔淮南子、覧冥訓〕に「重京を高くす」というのも、二層の京観の意であるらしく、金文に字を重層の形に作るものがある。〔左伝、宣十二年〕に、楚が北方の覇者晋に大捷したとき、臣下の者が「君、盍(なん)ぞ武軍にき、晉の尸(し)を收めて、以て京を爲らざる」とすすめた話がみえる。〔杜預注〕に、積尸封土して京門を作るのであるという。卜辞に義京・磬京(けいきよう)などの名がみえ、そこでは羌三人・牛十牛を卯(さ)いて祀る儀礼が行われている。おそらく軍門であったのであろう。都城をもその門で守ったので京師の意となり、高なり、大なりなどの義が派生した。

[訓義]
1. アーチ状の門、京観、高丘。
2. 都、京城。
3. たかい、大きい、さかん。
4. くら。
5. かず。十兆、また一万兆。
6. などと通じ、おそれうれえる。

[古辞書の訓]
名義抄〕京 ミヤコ・オホイナリ・ワタル・ウレシ(ヒ)〔字鏡集〕京 ミヤコ・オホキナリ・タカシ・ワタル・ウレシ(ヒ)

[部首]
〔説文〕に就をこの部に属する。その籀文(ちゆうぶん)は重京の形であるに従う。犬牲は落成のときの修祓に用いるもので、成就の意となる。

[声系]
〔説文〕に京声として諒・景・・黥・涼・など十四字を収める。京・景kyang、鯨・黥gyang、諒・掠・涼liangの三系に分かれるが、各・洛、(兼)・(廉)、監・濫などにも、同じような声の関係がある。

[語系]
京・kyangは同声。(きよう)とは大麋(だいび)(大鹿)をいう。鯨gyangは魚の最大なるものと考えられた。

[熟語]
京京京尹京華・京外・京官・京観京畿京圻京戯・京丘京劇京闕・京・京国・京師京市・京室・京城・京職京倉京秩・京朝・京調・京兆・京都・京堂京輔京報京坊・京本・京門・京京邑・京様京洛京吏・京里京陵京輦
[下接語]
尹京・遠京・咸京・帰京・旧京・玉京・鎬京・西京・周京・上京・神京・帝京・東京・入京・京・洛京

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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