百科事典マイペディア 「副腎皮質ホルモン剤」の意味・わかりやすい解説
副腎皮質ホルモン剤【ふくじんひしつホルモンざい】
→関連項目維持療法|クローン病|喉頭ポリープ|シェーグレン症候群|脂漏性湿疹|蕁麻疹|スモン(SMON)|脊髄炎|接触皮膚炎|全身性エリテマトーデス|象皮病|そばかす|苔癬|大腸炎|高安病|多発性筋炎|椎間板ヘルニア|テニス肘|ネフローゼ|脳炎|白血病|粃糠疹|日焼け|免疫不全症|リウマチ熱
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副腎皮質ステロイド剤ともいう。副腎皮質から分泌されるホルモン(副腎皮質ホルモン)には、鉱質コルチコイドと糖質コルチコイドの2種がある。鉱質コルチコイドにはアルドステロンとデオキシコルチコステロンがあり、糖質コルチコイドのおもなものはコルチゾンとコルチゾール(ヒドロコルチゾン)である。これらを製剤化したものが副腎皮質ホルモン剤である。初めにデオキシコルチコステロンが製品化されたが、1949年にコルチゾンがリウマチ様関節炎に応用され劇的効果が認められてからは、副腎皮質ホルモン剤の主流は糖質コルチコイドとなり、抗炎症剤として発展してきた。
副腎皮質より抽出されたコルチゾンとコルチゾールの化学構造の究明によって合成が可能となり、1950年代にはコルチゾンの作用の増強を目標として多くのコルチゾンおよびコルチゾール誘導体が合成された。糖質コルチコイドの作用は糖の代謝に関係し、糖の新生を促進し末梢(まっしょう)での糖の利用を抑制する。また、タンパク質の分解を促進し、同化ないし合成を阻害する。糖質コルチコイドのもっとも重要な作用は抗炎症作用と抗アレルギー作用であり、抗炎症作用の強力なものが次々と合成された。プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロン、デキサメタゾン、パラメタゾン、ベタメタゾンのほか、おもに外用だけに使われるものとしてフルメタゾン、フルオメトロン、フルドロキシコルチド、プロピオン酸ベクロメタゾン、フルオシノロンアセトニド、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾンなどがある。
副腎皮質ホルモン剤は抗炎症剤ばかりでなく、免疫抑制剤として、また抗悪性腫瘍(しゅよう)剤(制癌(がん)剤)として白血病の治療のほか、ネフローゼ症候群やショックの治療などに内服および注射剤として応用される。外用では軟膏(なんこう)やクリームのほか、貼付(ちょうふ)剤(テープ)として、また眼科用では点眼液として使われる。効果も大であるが副作用も著しい。長期大量療法において、とくに重篤な副作用が問題となる。もっとも多いのが感染症の合併で、ついで消化性潰瘍(かいよう)が多くみられる。そのほか、糖尿病や急性副腎不全などもおこし、満月様顔貌(がんぼう)(顔が丸くなる)がみられる。
[幸保文治]
『柏崎禎夫編『副腎皮質ステロイド剤の適応と使い方のコツ』(1990・医薬ジャーナル社)』▽『市川陽一編『感染症における副腎皮質ステロイド薬適正使用指針』(2001・医薬ジャーナル社)』
…副腎腺腫から多量のアルドステロンが分泌されると,原発性アルドステロン症となる。【関原 久彦】
[副腎皮質ホルモン剤]
ホルモン剤としては,一般に糖質コルチコイドと鉱質コルチコイドをさす。副腎皮質ホルモン剤は,副腎皮質機能低下症の補充療法に用いられるが,抗炎症作用や抗アレルギー作用に着目して広領域の臨床に応用されるのがむしろ一般的である。…
※「副腎皮質ホルモン剤」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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