向/亨/孝/香/校/梗/興(読み)キョウ

デジタル大辞泉の解説

きょう【向/亨/孝/香/校/梗/興】[漢字項目]

〈向〉⇒こう
〈亨〉⇒こう
〈孝〉⇒こう
〈香〉⇒こう
〈校〉⇒こう
〈梗〉⇒こう
〈興〉⇒こう

こう【向】[漢字項目]

[音]コウ(カウ)(漢) キョウ(キャウ)(漢) [訓]むく むける むかう むこう さきに
学習漢字]3年
〈コウ〉
ある方にむかう。「向寒向上向日性傾向出向転向動向
心がめざす。おもむき。「向学意向志向趣向
つき従う。「向背
むき。「風向方向
〈キョウ〉(「嚮(きょう)」と通用)さきに。「向来
[名のり]ひさ・むか・むけ
[難読]一向(ひたすら)日向(ひなた)日向(ひゅうが)向日葵(ひまわり)

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精選版 日本国語大辞典の解説

むき【向】

[1] (動詞「むく(向)」の連用形の名詞化)
① むいている方角。むいている方向。
※日葡辞書(1603‐04)「コノ イエノ muqiga(ムキガ) ヨイ」
② そういう事柄・傾向・性質。また、それを持った人。
※藪の鶯(1888)〈三宅花圃〉二「かかる顔だちをイキとやらたたへて、よろこべるむきの人もありとぞ」
※がらくた博物館(1975)〈大庭みな子〉犬屋敷の女「ちょっとした落度を大目にみるむきはあったし」
③ ある方面に関わること。また、その人。その筋。
※漢書帝紀抄(1477‐1515)景帝紀第五「かかるむきの事ぞ」
※ヰタ・セクスアリス(1909)〈森鴎外〉「おのおの其向の authority とすべき人物を選んで」
④ ある方面に適当すること。似つかわしいこと。「むきふむき」
※福翁自伝(1899)〈福沢諭吉〉王政維新「如何しても青雲の雲の上には向(ム)きの悪い男であるから」
⑤ ちょっとしたことに本気でおこること。くそまじめになること。→向きになる
※洒落本・廓通遊子(1798)発端「それはむきでもねいにおめいつみになりやすよ」
⑥ 数学でいう語。
(イ) 直線や線分の方向。
(ロ) 不等号の開きの方向。
[2] 〘語素〙
① ある方向・方角に向いていることを表わす。
※枕(10C終)一〇四「みなみむきにおはす」
② あるものに似つかわしいこと、適していることなどを表わす。
※浮世草子・本朝桜陰比事(1689)五「都の町に北国むきの傘を仕込む職人有」

む・く【向】

[1] 〘自カ五(四)〙
① その方向・方角へ、自分の正面が位置をとるようにする。面する。また、対する。
※書紀(720)欽明二三年七月・歌謡「韓国の 城の上に立ちて 大葉子は 領巾振らすも 日本へ武岐(ムキ)て」
※源氏(1001‐14頃)明石「御社のかたにむきて、さまざまの願を立て給ふ」
② その方向をさす。その方向にむかう。
※万葉(8C後)二・二一六「家に来て吾が屋を見れば玉床の外に向(むき)けり妹が木枕」
※竹取(9C末‐10C初)「いづちもいづちも足のむきたらん方へいなむず」
③ その方向・状態に移行する。その傾向に進む。かたむく。
※風雅(1346‐49頃)恋四・一三〇七「我心恨みにむきて恨み果てよ哀れになれば忍び難きを〈従二位為子〉」
※落語・臑咬り(1890)〈三代目三遊亭円遊〉「へエ、段々運勢が向いて来ましたナ」
④ うまく合う。適する。似合う。相応する。
※浄瑠璃・卯月の紅葉(1706頃)上「真似る芝居の女形、髪の結ぶり小利口に、ひっくるひっくるひっくる廓様、今はむかぬと縫箔の」
虞美人草(1907)〈夏目漱石〉九「東京の様な烈しい所には向(ム)かない」
[2] 〘他カ下二〙 ⇒むける(向)

む・ける【向】

〘他カ下一〙 む・く 〘他カ下二〙
① 物をまわして、ある方向をさすように向きを変える。その方向へ正面が位置をとるようにさせる。
※万葉(8C後)二〇・四三九八「夕潮に 舟を浮けすゑ 朝なぎに 舳(へ)牟気(ムケ)漕がむと」
※落窪(10C後)一「女、こなたのかたにうしろむけて、持たる物を折」
② 服従させる。討ち平らげる。→向け平(たいら)ぐ
※書紀(720)神代上(丹鶴本訓)「如し吾在(あ)らさらましかは、汝(いまし)何そ能く此の国を平(むケ)む」
③ 神、霊などに供えものをささげて祈る。たむける。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
※日葡辞書(1603‐04)「マウジャニ ミヅヲ muquru(ムクル)
④ その方角をめあてにする。目的地として、その方角を位置づける。目ざす。
※寛永刊本蒙求抄(1529頃)二「王子朝をせめたほどに楚へむけてにげていなれたぞ」
※雁(1911‐13)〈森鴎外〉一九「岡田は〈略〉足を二三歩その方へ向(ム)けた」
⑤ ある対象・目的・用途にそれをあてる。ふりむける。ふりあてる。充当させる。
※名語記(1275)三「をるを、他人に、むけては、をれ也」
※為兼和歌抄(1285‐87頃)「詞は三代集の中にてたづぬべくとも教へ、深く入りたる人にむけては、又かはる事多し」
⑥ ある所へ行かせる。やる。さしつかわす。さしむける。
※金刀比羅本保元(1220頃か)中「親久を召て、内裏には兵を此方へむけられ候ふべきか」

むこう むかふ【向】

[1] (動詞「むかう(向)」の終止形・連体形の名詞化した語とみて、歴史的かなづかいは「むかふ」とするが、他に連用形「むかい(むかひ)」のウ音便形とみて「むかう」とする説もある)
① 対する前面。前方。かなた。
※虎寛本狂言・禁野(室町末‐近世初)「向かうに、雉が居まする」
② 物をへだてたあちら側。
※波形本狂言・入間川(室町末‐近世初)「むかふの在所は入間の在所」
※俳諧・奥の細道(1693‐94頃)象潟「むかふの岸に舟をあがれば」
③ 距離があって、直接見ることのできないあちら側。外国など。
※虞美人草(1907)〈夏目漱石〉一五「亡き父が西洋(ムカフ)から取り寄せたものである」
④ 相手。先方。
※虎寛本狂言・棒縛(室町末‐近世初)「向ふから打って参る、斯う請まする」
⑤ 未来の時。向後。また、時を表わす語を伴って、「この次の」「次にやってくる」などの意になる。
※滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)七「全部三巻となし、むかふ巳の春の新撰にそなへんとす」
⑥ ある物事の反対、あるいは対照。
※当世商人気質(1886)〈饗庭篁村〉三「儲けといふは損の向ふ勝といふは敗(まくる)といふがあればなり」
⑦ 歌舞伎で用いる語。
(イ) 花道への出入り口。花道へ出る揚幕のあるところ。
※歌舞伎・名歌徳三舛玉垣(1801)三立「皆皆花道へかかる、向ふより秀則、上下衣装にて高股立、大きなる金の幣束をかつぎ出て来り」
(ロ) 舞台正面。
※歌舞伎・韓人漢文手管始(唐人殺し)(1789)三「造り物、平舞台、向ふ浅黄幕」
⑧ 和船の水押(みよし)の正面の総称。上部を張出(はりだし)、喫水線付近を潮切という。
※関船之書物(1675)三「むかうの中之厚さ之事 櫓壱丁に付八厘つつ、五拾丁には四寸の厚さ」
⑨ 「むこうづけ(向付)」、また、「むこうづめ(向詰)」の略。
※浮世草子・男色十寸鏡(1687)下「むかふにひきたる一献やきのうほなどを、手をのばして取もみぐるし」
[2] 〘語素〙
① 正面を向いたものである意を表わす。「むこうずね」「むこうきず」など。
② 相手の側、物をへだてた反対側の意。「むこうぎし」「むこう三軒」「むこうづけ」「むこうみず」など。

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世界大百科事典内の向/亨/孝/香/校/梗/興の言及

【向付】より

…日本料理で膳の向こう側につける料理,また,それを盛りつける器をいう。江戸時代半ばには使われていたことばで,なますか刺身を用いることが多かった。…

※「向/亨/孝/香/校/梗/興」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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