屋根・家根(読み)やね

精選版 日本国語大辞典 「屋根・家根」の意味・読み・例文・類語

や‐ね【屋根・家根】

〘名〙
① 雨露、暑さ、寒さなどを防ぐため建物の最上部に設けたおおい。多く、瓦・板・茅(かや)・藁(わら)スレート・コンクリート・金属板で葺(ふ)く。
万葉(8C後)四・七七九「板葺黒木の屋根(やね)は山近し明日(あすのひ)取りて持ち参り来む」
② 物の上部をおおうもの。また、最上部にあるもの。
※俳諧・俳諧新選(1773)二「牛の背に屋根出かしつる暑哉〈可幸〉」
③ 「やねぶね(屋根船)」の略。
歌舞伎霊験曾我籬(1809)八幕「今日は屋根(ヤネ)は、江戸へ上下に行きました」
[語誌]「や」は家を指す語で、これに「かきね」「はね」「きね」などに見られる接尾語「ね」が付いたものと思われる。家全体を指していたのが、家の上部の「屋根」だけを指すようになったのは、古代の建物が、屋根自体直接地面に接する造りであったのに、その後、柱や壁ができて軒先が地面を離れるものとなったことによる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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