憮然(読み)ブゼン

デジタル大辞泉 「憮然」の意味・読み・例文・類語

ぶ‐ぜん【×憮然】

[ト・タル][文][形動タリ]失望・落胆してどうすることもできないでいるさま。また、意外なことに驚きあきれているさま。「憮然としてため息をつく」「憮然たる面持ちで成り行きを見る」
[補説]近年、「憮然たる面持ちで」とした場合、「腹を立てているような顔つき」の意味で使われることが多くなっているが、本来は誤り。腹を立てるさまを表す語には「憤然ふんぜん」などがある。
文化庁が発表した「国語に関する世論調査」で、「憮然として立ち去った」を、「失望してぼんやりとしている様子」と「腹を立てている様子」の、どちらの意味だと思うかを尋ねたところ、次のような結果が出た。
 平成15年度調査平成19年度調査平成30年度調査
失望してぼんやりとしている様子
(本来の意味とされる)
16.1パーセント17.1パーセント28.1パーセント
腹を立てている様子
(本来の意味ではない)
69.4パーセント70.8パーセント56.7パーセント

[類語]迷惑・怒おこる・怒いかる・憤る・八つ当たり・いじける・ひねくれる・すねる・ひがむ・ねじける・ねじくれる・ふくれる・気色けしきばむ・むくれる・むかつく・むかっと・むかむか・むっと・むしゃくしゃ・むらむら・くしゃくしゃ・不快・不愉快・不機嫌・不興・仏頂面・虫の居所が悪い・風向きが悪い・胸糞が悪い・けった糞が悪い・気を悪くする・つむじを曲げる・はらわたが煮え返る・臍を曲げる・怒り付ける・怒り狂う・腹立つ・腹が立つ・小腹が立つ・向かっ腹が立つ・腹を立てる・怒り心頭に発する・癪しゃく・小癪こしゃく・癪しゃくに障る・癇癪かんしゃく・冠を曲げる・堪忍袋の緒が切れる・向かっ腹ぱら・やけっ腹ぱら・業腹・業を煮やす・逆上・青筋を立てる・憤懣ふんまん・わなわな・虫唾むしずが走る・反吐へどが出る

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精選版 日本国語大辞典 「憮然」の意味・読み・例文・類語

ぶ‐ぜん【憮然】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用タリ 〙
  2. ① 意外な出来事に驚いて茫然とするさま。また、失望したり、どうしようもなかったりしてぼんやりするさま。
    1. [初出の実例]「乞児憮然、問曰、何謂二忠孝一乎」(出典:三教指帰(797頃)下)
    2. [その他の文献]〔論語‐微子〕
  3. ② 不機嫌なさま。不興なさま。
    1. [初出の実例]「関は憮然(ブゼン)としてたばこをすった」(出典:濁った陽(1960)〈松本清張〉一一)

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普及版 字通 「憮然」の読み・字形・画数・意味

【憮然】ぶぜん

然としてなげくさま。〔論語、微子〕()曰く、滔滔(たうたう)たるは、天下皆是れなり。誰(たれ)か以て之れを易(か)へん~と。~子路行(さ)りて以てぐ。夫子(ふうし)(孔子)憮然として曰く、~鳥獸は與(とも)に群を同じうすべからず。吾(われ)斯の人の徒と與にするに非ずして、誰と與にせん。

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