デジタル大辞泉
「くしゃくしゃ」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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くしゃ‐くしゃ
- [ 1 ] 〘 副詞 〙 ( 「と」を伴って用いることもある )
- ① 唾(つば)の音をたてて、物をかむさまを表わす語。特にまずそうにかむさまや、上品でない食べ方の場合を表わす。くちゃくちゃ。
- [初出の実例]「翁飴を口に入れて、不味(まづ)さうに咀嚼(クシャクシャ)始める」(出典:多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉前)
- ② 紙、布などを、丸めたり揉んだりするさま、または、そのようにして、しわだらけになったさまを表わす語。
- [初出の実例]「突然、腹立たしげに伝単をくしゃくしゃとまるめて」(出典:挿話(1948)〈加藤道夫〉)
- ③ 物事が混乱して、正常な形をくずしたり、まとまりのなくなったりするさまを表わす語。ごちゃごちゃ。〔和英語林集成(再版)(1872)〕
- [初出の実例]「鼻の根を中心にして眼や額や眉を一度に此中心に向ってくしゃくしゃとあつめた」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉九)
- ④ ひどく泣いたり、目がわずらわしくて涙が出たりなどして、まぶたをうるさそうにするさまを表わす語。
- [初出の実例]「眼をクシャクシャさして」(出典:鱧の皮(1914)〈上司小剣〉一)
- ⑤ 気分のすっきりしないさま、また、心のいらだつさまを表わす語。くさくさ。
- [初出の実例]「気はクシャクシャ、つくほどせけども仕よふなし」(出典:咄本・仕形噺(1773)そそう)
- [ 2 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙
- ① [ 一 ]②に同じ。
- [初出の実例]「赤面居士が得意の論文はくしゃくしゃになった」(出典:当世文学通(1889)〈内田魯庵〉)
- ② [ 一 ]③に同じ。
- [初出の実例]「煙草盆には埃及煙草(エジプト)の吸ひ殻がくしゃくしゃに突込である」(出典:疲労(1907)〈国木田独歩〉)
- ③ [ 一 ]④に同じ。
- [初出の実例]「涙でくしゃくしゃになった眼で」(出典:花物語(1908)〈寺田寅彦〉芭蕉の花)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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