(読み)シ

デジタル大辞泉 「支」の意味・読み・例文・類語

し【支】[漢字項目]

[音](呉)(漢) [訓]ささえる つかえる
学習漢字]5年
枝分かれする。枝分かれしたもの。「支局支線支店支部支流気管支
分かれてばらばらになる。「支離滅裂
分けて出す。「支給支出支弁収支
物事をはかる。「支度したく支配
ささえる。「支援支持支柱支点
つかえる。さしさわり。「支障
十二支。「干支かんし
支那しな」の略。「日支
[名のり]なか・もろ・ゆた
難読干支えと

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「支」の意味・読み・例文・類語

し【支】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. わかれ。分派。〔詩経‐大雅・文王〕
    2. えだ。枝。〔詩経‐衛風・蘭〕
    3. ささえ。助けとなるもの。支柱。
      1. [初出の実例]「加之官爵之事只依吹嘘。世路之支莫」(出典明衡往来(11C中か)上末)
      2. [その他の文献]〔梁宣帝‐牀詩〕
    4. てあし。四肢。肢。
      1. [初出の実例]「枝解とは、支は支、むくろはむくろとはなればなれになされたぞ」(出典:史記抄(1477)一二)
      2. [その他の文献]〔易経‐坤卦〕
  2. [ 2 ]しな(支那)」の略。

ささえささへ【支】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「ささえる(支)」の連用形の名詞化 )
  2. ささえること。また、そのもの。つっかい。つっぱり。また、もちこたえること。ある状態を維持すること。
    1. [初出の実例]「結句敵の大勢なるを聞きて、一支(ササヘ)もせず京都まで遠引したらんは」(出典:太平記(14C後)一六)
    2. 「今一吹の嵐の家あぶない処も又何とか、支(ササ)へのつかぬでもあるまい」(出典:おぼろ夜(1899)〈斎藤緑雨〉)
  3. 他人を中傷すること。ささえぐち。ささえごと。
    1. [初出の実例]「『不苟訾』とは、人のことをむざとはそしらぬ事ぞ。そしればささえになるぞ」(出典:春鑑抄(1629)礼)

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普及版 字通 「支」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 4画

(旧字)
4画

[字音] シ・キ
[字訓] えだ・わける・ささえる

[説文解字]

[字形] 会意
十+(又)(ゆう)。十は木の小枝は手。小枝をもつ形で、枝の初文。〔説文三下に「竹の枝を去るなり。手に竹を持つに從ふ」とするが、すべて草木の枝をいう。〔詩、衛風、蘭〕に「(ぐわんらん)の(えだ)」とあるのが本義。すべて本幹より分かれたものをいい、〔詩、大雅、文王〕「本百世」とは宗族についていう。干支(かんし)は幹枝の意。十干を幹とし、十二支を枝とする。枝を以て支えるので、支柱・支持の意となる。

[訓義]
1. えだ、木のえだ。
2. わかれる、わける、はなれる。
3. ささえる、つかえる、のせる、たえる。
4. はらう、わけてあたえる。
5. 十二支の、み。

[古辞書の訓]
名義抄 ササフ・ハカル・エダ・ヒトシ・ハルカ・ワヅカ・サス・アタル・タスク/三 サイクサ

[部首]
〔説文〕に(き)をこの部に属し、〔玉〕に別に三字を加えるが、ほとんど用例のない字である。は〔説文〕三下に「持ち去るなり」とするが、奇に傾くものの意があり、おそらく傾くものを支える意であろう。案とは見台をいう。

[声系]
〔説文〕に声として跂・翅・枝・伎・・技など二十三字を収める。おおむね分岐するもの、傾くものをささえるものの意があり、の声義を承けるものが多い。

[語系]
・枝・肢tjieは同声。翅sjieは声近く、獣には肢といい、鳥には翅という。語彙は枝・肢字条参照。

[熟語]
支頤・支移支胤・支院・支運支裔・支応・支河・支解・支・支骸支劃・支干・支給・支頰・支局・支軍・支径・支計・支・支券・支遣・支吾・支抗・支項・支犒・支・支骨・支策・支散・支子・支指・支賜・支辞・支持・支借・支取・支・支酒・支庶・支証・支銷・支条・支親・支析・支節・支川・支銭・支属・支族・支体・支対・支待・支度・支冑・支柱・支・支調・支綴・支途・支当・支支那・支派・支婆・支配・支排・支発・支撥・支費・支賓・支付・支附・支分・支兵・支別・支弁・支甫・支輔・支放・支俸・支本・支脈・支用・支離・支流・支領・支類・支郎
[下接語]
燕支・干支・幹支・戟支・四支・収支・析支・度支・分支・本支・流支

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