朗か(読み)ほがらか

精選版 日本国語大辞典 「朗か」の意味・読み・例文・類語

ほがら‐か【朗か】

〘形動〙 (「か」は接尾語)
① 開けて明るいさま。広々とうち開けたさま。ひろがったさま。
※大慈恩寺三蔵法師伝永久四年点(1116)二「郊郭、顕敞とほからかにして、川野、膄潤とこえたり」
② 光がさして、明るいさま。明るく光るさま。
※西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)五「身の光り朗(ホガラカニ)耀ること初日に同じきなり」
③ あいまいさがなく明らかなさま。
(イ) ものによく通じ、よくわかるさま。聰明なさま。
※大唐西域記巻十二平安中期点(950頃)「神衷を郭(ホカラカ)にして道に躰せり」
(ロ) はっきりと認知できるさま。明瞭。分明。
紫式部集(1012‐17頃)「打忍びなげきあかせばしののめのほがらかにだに夢を見ぬ哉」
④ 人の表情がはれやかで、さわやかなさま。気分が晴れて明朗なさま。
蜻蛉(974頃)下「かへる雁を鳴かせてなどこたへたれば、いとほがらかにうち笑ふ」
⑤ 遊里で、揚げずてにして来ない遊客の愚かしいさま。遊女の側からいう語。
歌舞伎・傾城天の羽衣(1753)四幕「其ほがらかとは揚ずてにして置て、こなんだあほうなことをほがらかといふはいな

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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