構造改革[小泉政権](読み)こうぞうかいかく[こいずみせいけん]

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「構造改革[小泉政権]」の意味・わかりやすい解説

構造改革[小泉政権]
こうぞうかいかく[こいずみせいけん]

2001~06年の小泉純一郎内閣が推進した改革。日本経済のかつてないデフレーションの長期化をうけ,小泉政権は経済の立て直しを最重要課題に掲げた。2001年の内閣総理大臣所信表明演説において,小泉首相は「構造改革なくして日本の再生と発展はない」として,経済,財政,行政,社会,政治の分野における「聖域なき構造改革」を進めると宣言した。概要は,(1) 不良債権処理の加速化,(2) 新規産業や雇用創出を促進するための規制緩和,(3) 簡素で効率的な政府(→安価な政府)をつくるための財政構造改革の推進と歳出の徹底的な見直し,などである。小泉首相は,みずからが議長を務める内閣府直属の経済財政諮問会議を改革の司令塔に位置づけ,同会議が毎年作成する「骨太の方針」に基づいて次年度の予算編成を行なうこととした。これによって,財務省主導のもと既得権益で硬直化していた予算配分にメスを入れることを目指した。郵政民営化(→郵政省郵便),社会保障費の段階的削減ほか,(1) 国庫補助負担金(→国庫支出金)の改革,(2) 国から地方への税源移譲,(3) 地方交付税の改革,の三つを同時に行なう「三位一体の改革」などが,族議員公務員などの強い反対を押し切って実行に移された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

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