沼(読み)ヌマ

デジタル大辞泉 「沼」の意味・読み・例文・類語

ぬま【沼】

1 湖より浅い水域。ふつう、水深は5メートル以内で、フサモ・クロモなどの水中植物が繁茂する。
2 俗に、趣味などで、夢中になったり深くとらわれたりする対象。泥沼や底なし沼に入り込んで出られなくなる状態にたとえたもので、「沼にはまる」「カメラ沼に落ちる」のように用いる。
[類語](1)沢・池・湖・沼沢・湖沼・泥沼・潟・古池・溜め池・貯水池・人工池・遊水池・用水池・水瓶・ダム・湖水・淡水湖・鹹水湖・塩湖・河跡湖・三日月湖・火口原湖・火口湖・陥没湖・人造湖

しょう【沼】[漢字項目]

[常用漢字] [音]ショウ(セウ)(呉)(漢) [訓]ぬま
〈ショウ〉ぬま。「沼沢/湖沼」
〈ぬま〉「沼地/泥沼」

ぬ【▽沼】

ぬま。多く複合語として用いる。「隠こもり沼」
「行くへなみ隠こもれる小を―の下思したもひに我あれそ物思ふこのころの間」〈万・三〇二二〉

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精選版 日本国語大辞典 「沼」の意味・読み・例文・類語

ぬま【沼】

  1. 〘 名詞 〙 一般に、深さ五メートル以下で底は泥ぶかく、クロモ・フサモなどの沈水沿岸植物が生えている、規模の小さい湖沼をいう。湖とは厳密には区別されていない。ぬ。
    1. [初出の実例]「新羅の国に一つの沼(ぬま)有り、名をば阿具奴摩(ヌマ)と謂ふ」(出典:古事記(712)中)

沼の語誌

上代には、沼を指す語としてヌマのほかにヌも用いられていた。しかし、ヌマが挙例のように単独でも用いられたのに対し、ヌは、「隠沼乃(こもりぬノ)」〔万葉‐二〇一〕や「隠有小沼乃(こもりぬノ)」〔万葉‐三〇二二〕のように、ほとんどが複合語中に見られるところから、ヌはヌマの古い語形と考えられる。


ぬ【沼】

  1. 〘 名詞 〙 ぬま。多く、他の語に付いて複合語を作る。「こもりぬ」「おぬ」など。
    1. [初出の実例]「猶し汎べる舟の、東に邁ぐるときに、凝れる沼(ヌ)を、西に流ると矚たるが如く」(出典:金剛般若経讚述嘉祥四年点(851))

沼の補助注記

「大般若経字抄」「書陵部本名義抄」などでは、「沼」にヌウの訓をあげている。「書陵部本名義抄」では、ヌに平声、ウに上声の点を付しており、院政期頃には上昇調にヌウと発音されていたと思われる。


ぬま【沼・沼間】

  1. 姓氏の一つ。

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普及版 字通 「沼」の読み・字形・画数・意味

沼
常用漢字 8画

[字音] ショウ(セウ)
[字訓] ぬま

[説文解字]

[字形] 形声
声符は召(しょう)。〔説文〕十一上に「池なり」(段注本)とあり、〔風俗通、山沢〕に「圓なるを池と曰ひ、曲なるを沼と曰ふ」とする。また沼を小池として、大小を以て区別する説もあるが、金文にみえる辟雍(へきよう)(神)の大池を、〔詩、大雅、霊台〕に「靈沼」とよんでいるから、形や大小によっていうものではない。沼沢は自然のもの、池は掘鑿になるものであろう。

[訓義]
1. ぬま。
2. いけ。

[古辞書の訓]
〔和名抄〕沼 奴(ぬ) 〔名義抄〕沼 ヌマ・コイケ・イケ

[熟語]
沼気▶・沼湖▶・沼沚▶・沼上▶・沼沢▶・沼池▶・沼浜▶・沼▶・沼蓮▶
[下接語]
苑沼・湖沼・清沼・沢沼・池沼・沼・碧沼・野沼・幽沼・林沼・霊沼

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「沼」の意味・わかりやすい解説

沼
ぬま

湖沼のうち水深がおよそ5メートル以下で、湖心部においても沈水植物が繁茂する水域。沼よりさらに浅く、最大水深が2~3メートル以下で、全体が抽水(ちゅうすい)植物におおわれた水域は沼沢(しょうたく)とよぶ。なお、抽水植物とは、水面上に茎や葉をのばすヨシやガマなどをいう。

 固有名詞としての「沼」の呼び名は、この分類と一致しない場合が少なくない。たとえば、群馬県の尾瀬沼(おぜぬま)(水深9.5メートル)と菅沼(すげぬま)(水深75メートル)など、沼の名がつけられた湖がある。福島県沼沢湖(ぬまざわこ)(水深96メートル)は、歴史的に沼沢沼(ぬまざわぬま)とよばれてきた。

[新井 正]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「沼」の意味・わかりやすい解説

沼
ぬま
swamp

水深が1~5mで,いたるところに沈水植物が繁茂している湖沼。湖沼は時間の経過とともに,その姿を変えていく。この変化は非常にゆるやかなものであるが,その主要な作用は湖沼の埋積による。その結果,湖→沼→沼沢と変化して,終局的には湿地から草原となる。沼沢はこの変化の過程で開水面のある最後の段階と考えられる。 (→湖沼 )  

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百科事典マイペディア 「沼」の意味・わかりやすい解説

沼【ぬま】

湖よりも浅く深さ1〜5mくらいで,沈水植物(エビモ,フサモのように葉,茎が水中にある)が繁茂するもの。もっと浅くなると沼沢(しょうたく)といい,抽水(挺水(ていすい))植物(ヨシ,マコモなど)が繁茂するようになる。

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改訂新版 世界大百科事典 「沼」の意味・わかりやすい解説

沼 (ぬま)

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最新 地学事典 「沼」の解説

ぬま
沼

swamp

⇒ 湖沼

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世界大百科事典(旧版)内の沼の言及

【湖沼】より

…湖沼とは,海と直接にはつながらず,陸地に囲まれた盆地内に水をたたえた半閉鎖的な静水塊を指す。静水塊とは,河川など水の流動がきわめて大きな水塊に対する言葉である。…

※「沼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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