はく‐・する【泊】
[1] 〘自サ変〙 はく・す 〘自サ変〙
※
花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉三「宜しく
旅舎を撰んで泊
(ハク)すべし」
② 船が港にとまる。停泊する。
※時規物語(1850)
首巻「『
アメリカ』の『マノワ』二艘湊に泊す」
[2] 〘他サ変〙 はく・す 〘他サ変〙 船を港にとめる。停泊させる。
※山陽詩鈔(1833)四・泊天草洋「万里泊レ舟天草洋、煙横二篷窓一日漸没」
はく【泊】
[1] 〘名〙 とまること。とまり。「
京都に泊を重ねて
六日」
は・つ【泊】
〘自タ下二〙 船が港に着いて泊まる。停泊する。
※
書紀(720)斉明七年一〇月・
歌謡「君が目の 恋
(こほ)しきからに 婆底
(ハテ)て居て かくや恋ひむも 君が目を欲
(ほ)り」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「泊」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
泊【とまり】
船舶が寄港・停泊するところで,風波を防ぐ海岸地形や防波堤などの施設,ひいては港湾全体をいう。中世までは〈津泊〉とも史料にみえる。海岸に沿って航行した古代・中世において,風待ち・潮待ちなどのため泊を設置した。奈良時代,行基によって創設されたという五泊(河尻・大輪田・魚住・韓・室)は,船で1日行程の距離をおいて設置されていたという。五泊では防波堤・石椋(いしくら)の維持のため,勝載(しょうさい)料と称する津料が徴収されていた。→湊/港湾/港町
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
とまり【泊】
船舶の寄航・停泊のための風波を防ぐ海岸地形や諸施設(防波堤など),あるいはそれを含む港湾全体をいう。とくに古代・中世,海岸に沿って航行する地乗り航法の時代には風待・潮待などのための泊の設置が必須であり,中世ではしばしば〈津泊〉と連称された。奈良時代,行基によって創設されたとされる東部瀬戸内海の五泊(河尻,大輪田,魚住,韓,室)が,船で1日行程の距離をおいて置かれていたのは著名な例である。室泊(むろのとまり)は周囲を山で囲まれた絶好の風待港であり,魚住泊は明石海峡を東西流する潮流に対する潮待港であった。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
泊
とまり
鳥取県中部,日本海に臨む地域。旧村名。 2004年 10月羽合町,東郷町と合併し湯梨浜町となった。泊は江戸時代の宿場町。園にある川口城跡は,戦国時代,因幡,伯耆両国の国境にあたる要害の地。米作のほか野菜,二十世紀梨を栽培。たくあん漬も有名。沿岸漁業基地泊漁港では小型底引き,刺網,一本釣りが行なわれ,タイ,イカ,カレイ,ハマチなどを水揚げする。 JR山陰本線,国道9号線が通じる。
泊
とまり
富山県北東部,朝日町の中心地区。旧町名。東に親不知の嶮,西に乱流の黒部川を控えた北陸道の宿場町として発展した。 JR北陸本線泊駅に隣接して紡績工場がつくられた。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
世界大百科事典内の泊の言及
【港湾】より
…船を安全に出入り,停泊させ人や貨物などの水陸輸送の転換を行う機能をもつ沿岸域の空間。日本では古来,津(つ),湊(みなと),泊(とまり)などと称していた。…
【船瀬】より
…船舶の停泊する海浜の舟溜(ふなだまり),浅瀬。船居(ふなすえ)ともいう。…
※「泊」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報