(読み)ハク

デジタル大辞泉 「泊」の意味・読み・例文・類語

はく【泊】[漢字項目]

常用漢字] [音]ハク(漢) [訓]とまる とめる
船が浅い所や港に停止する。「泊地仮泊停泊
よそで宿る。「一泊外泊宿泊漂泊旅泊
あっさりしている。「淡泊
沼。湖。「梁山泊

はく【泊】

とまること。宿泊。また、その数をかぞえる語。「34日」
[補説]レンタルビデオレンタカーレンタルドレスなどで、日付を越えて貸し出される場合にも用いられることがある。

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精選版 日本国語大辞典 「泊」の意味・読み・例文・類語

はく【泊】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 とまること。とまり。「京都に泊を重ねて六日」
  2. [ 2 ] 〘 接尾語 〙 とまる夜の回数を数える。また、商品のレンタル営業日をまたいでの日数を数える場合にも用いる。
    1. [初出の実例]「三泊の修学旅行があった」(出典:父(1916)〈芥川龍之介〉)

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普及版 字通 「泊」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 8画

(異体字)
9画

[字音] ハク
[字訓] とまる・とどまる・しずか

[説文解字]
[その他]

[字形] 形声
声符は白(はく)。〔説文〕十一上に作り「淺き水なり」とあり、〔玉〕に「舟を止むるなり」という。水波の静かな、舟の碇泊に適したところ。それでしずかな状態を泊乎・泊焉のようにいう。

[訓義]
1. とまる、とどまる、舟を岸につける。
2. いこう、やどる、やどり。
3. 舟つき場。
4. しずか、ものしずか。
5. 薄と通じ、うすい、ぼんやり。

[古辞書の訓]
和名抄〕泊湘 師、佐々良奈美(ささらなみ)/泊 度末利(とまり) 〔名義抄〕泊 トマリ・トドマル・トドム・シヅカナリ・ササラナミ・カス・ニハカ・チマタ・ホトリ・アサシ・キハム・カハカス・イタル・ニゴラス・ヨシ・ウゴカス 〔字鏡集〕泊 キハム・ホトリ・アサシ・マロガス・ヨシ・イツ・ニゴラカス・ウゴカス・ハジメ・トマリ・ササラナミ・オヨグ・チマタ・ワタス・イタル・シヅカナリ・トドム・クダル・カス・ニハカ・カハカス

[熟語]
泊懐・泊鴈・泊兮・泊乎・泊爾・泊宿・泊如・泊湘・泊然・泊歩
[下接語]
仮泊・外泊・羈泊・休泊・虚泊・憩泊・止泊・舟泊・宿泊・栖泊・淡泊・澹泊・駐泊・停泊・碇泊・晩泊・漂泊・飄泊・紛泊・夜泊・落泊・流泊・旅泊

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「泊」の意味・わかりやすい解説

泊(村)
とまり

北海道西部、後志(しりべし)総合振興局管内の村。日本海に面する。村名はアイヌ語のヘモイトマリ(サケが港に入る、または港の意)に由来。積半島丹(しゃこたんはんとう)の一部を占め、山地が海岸に迫る。海岸線を国道229号が走る。江戸時代末に採掘が始まった茅沼炭鉱(かやぬまたんこう)があり、1869年(明治2)炭鉱から海岸まで石炭輸送用の日本最初の鉄道が敷設されたが1931年(昭和6)廃止、炭鉱も1964年廃止された。江戸時代から大正時代までニシン場として栄え、現在もイカ、ウニ、アワビ、サケなどの漁業が産業の中心。沿岸部はニセコ積丹小樽(おたる)海岸国定公園域で、弁天島などの景勝地や盃温泉(さかずきおんせん)がある。面積82.27平方キロメートル、人口1569(2020)。

[瀬川秀良]

『『泊村史』(1967・泊村)』



泊(鳥取県)
とまり

鳥取県中部、東伯郡(とうはくぐん)にあった旧村名(泊村(そん))。現在は湯梨浜町(ゆりはまちょう)の北東部を占める地域。日本海に臨む。2004年(平成16)羽合町(はわいちょう)、東郷町(とうごうちょう)と合併、湯梨浜町となる。旧村域の開発は古く、銅鐸(どうたく)を出土し、また山陰道の古駅笏賀(くつが)の所在地。川口(かわぐち)城跡は尼子(あまご)氏と毛利(もうり)氏の争奪地。JR山陰本線、国道9号、青谷(あおや)・羽合道路が通じる。中心の泊地区は江戸時代の泊宿で鳥取藩浦方番所(うらかたばんしょ)が置かれた。石脇(いしわき)地区は好海水浴場で、観音堂には木食上人(もくじきしょうにん)作の弘法(こうぼう)大師坐像(ざぞう)がある。二十世紀ナシ栽培、スイカの漬物「とまり漬け」づくりのほか、沿岸漁業も行われ、石脇に県の栽培漁業センターがある。

[岩永 實]

『『泊村誌』(1989・泊村)』


泊(富山県)
とまり

富山県北東部、下新川(しもにいかわ)郡朝日町の中心地区。旧泊町。加賀藩領で藩政初期には笹(ささ)川河口付近にあったが、津波の被害で現在地に移った。親不知(おやしらず)の険を控えた北陸街道宿場町として発達した。

[編集部]

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改訂新版 世界大百科事典 「泊」の意味・わかりやすい解説

泊 (とまり)

船舶の寄航・停泊のための風波を防ぐ海岸地形や諸施設(防波堤など),あるいはそれを含む港湾全体をいう。とくに古代・中世,海岸に沿って航行する地乗り航法の時代には風待・潮待などのための泊の設置が必須であり,中世ではしばしば〈津泊〉と連称された。奈良時代,行基によって創設されたとされる東部瀬戸内海の五泊(河尻,大輪田,魚住,韓,室)が,船で1日行程の距離をおいて置かれていたのは著名な例である。室泊(むろのとまり)は周囲を山で囲まれた絶好の風待港であり,魚住泊明石海峡を東西流する潮流に対する潮待港であった。五泊においても,防波堤・石椋(いしくら)の維持を理由として,勝載料と称する津料が行来の船から徴取されたが,例えば鎌倉初期,伊勢神宮がその神人(じにん)への津料賦課の免除を〈諸国往反津泊預〉に要求したように(《鎌倉遺文》843号文書),中世では各地の泊が津料を徴取していたことが知られる。なお中世においては,風波の難のため〈泊なきの致す所なり〉といわれるまでに廃滅してしまった大輪田泊の(平清盛による)再建が,〈新嶋〉の造築により行われたように,石椋や堤のみでなく,築島(つきしま)の土木技術が一般化したことが注目される。
 →船瀬
執筆者:


泊[村] (とまり)

北海道南西部,後志(しりべし)支庁古宇郡の村。人口1883(2010)。日本海に突出する積丹(しやこたん)半島西岸にあり,町域の大部分を山地が占める。17世紀の後半から和人が来住し,ニシン漁場としてにぎわった。1856年(安政3)に開坑された道内最古の茅沼(かやぬま)炭鉱は,最盛期には従業員も1400人を数えたが,1964年に閉山した。スケトウダラ,イカ,マスなどを漁獲するが,近年は不振である。道内初の泊原子力発電所(57万kW)が南端の堀株(ほりかつぷ)地区に建設され,第1号機は89年6月に営業運転を開始した。国道229号線が通る海岸沿いは絶壁や奇岩が多く,兜岬を中心にカブトラインとよばれ,ニセコ積丹小樽海岸国定公園に含まれる。北部海岸に盃(さかずき)温泉(セッコウ泉,46℃)がある。
執筆者:


泊(鳥取) (とまり)

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百科事典マイペディア 「泊」の意味・わかりやすい解説

泊【とまり】

船舶が寄港・停泊するところで,風波を防ぐ海岸地形や防波堤などの施設,ひいては港湾全体をいう。中世までは〈泊〉とも史料にみえる。海岸に沿って航行した古代・中世において,風待ち・潮待ちなどのため泊を設置した。奈良時代,行基によって創設されたという五泊(河尻・大輪田・魚住・韓・室)は,船で1日行程の距離をおいて設置されていたという。五泊では防波堤・石椋(いしくら)の維持のため,勝載(しょうさい)料と称する津料が徴収されていた。→港湾港町

泊[村]【とまり】

北海道後志地方,積丹半島の南西に位置する古宇郡の村。西は日本海に面し,海沿いに積丹半島をめぐる国道229号が通じる。山地が多く,点在する漁港を核に行われる漁業が基幹産業で,夏〜冬にかけてウニを特産する。村南部の茅沼で1856年に開かれた炭鉱は1964年には閉山したが,堀株には新たに北海道電力泊原発が立地する。82.28km2。1883人(2010)。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「泊」の意味・わかりやすい解説


とまり

鳥取県中部,日本海に臨む地域。旧村名。 2004年 10月羽合町,東郷町と合併し湯梨浜町となった。泊は江戸時代の宿場町。園にある川口城跡は,戦国時代,因幡,伯耆両国の国境にあたる要害の地。米作のほか野菜,二十世紀梨を栽培。たくあん漬も有名。沿岸漁業基地泊漁港では小型底引き,刺網,一本釣りが行なわれ,タイ,イカ,カレイ,ハマチなどを水揚げする。 JR山陰本線,国道9号線が通じる。


とまり

富山県北東部,朝日町の中心地区。旧町名。東に親不知の嶮,西に乱流の黒部川を控えた北陸道の宿場町として発展した。 JR北陸本線泊駅に隣接して紡績工場がつくられた。

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【朝日[町]】より

…宮崎城は戦国期には越後の上杉氏と越中武士団の攻防の焦点となった。中心集落の泊は小川下流の低地にあり,江戸時代は北陸街道の宿場町であった。東端の境には,江戸時代に加賀藩の境関所が設けられていた。…

【東郷荘】より

…平安末期に成立した河村郡東郷が荘園に転化したものと推定されるが,荘園成立の時期および成立過程等については明らかでない。1258年(正嘉2)11月に作成された有名な〈伯耆国河村郡東郷荘下地中分図〉がその史料的初見で,これによるとその荘域は東郷池周辺地域一帯,今日の鳥取県東伯郡東郷町,羽合町と泊村の一部をその中に含んでいた。下地中分の主体となった地頭名は不明だが,中分は地頭方=東方,領家方=西方を原則とした。…

【港湾】より

…船を安全に出入り,停泊させ人や貨物などの水陸輸送の転換を行う機能をもつ沿岸域の空間。日本では古来,(つ),(みなと),(とまり)などと称していた。…

【船瀬】より

…船舶の停泊する海浜の舟溜(ふなだまり),浅瀬。船居(ふなすえ)ともいう。…

※「泊」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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