(読み)ウルチ

デジタル大辞泉 「粳」の意味・読み・例文・類語

うるち【×粳】

うるの米。粘りけの少ない、普通の飯にする米。うるごめ。うるちまい。→もち
[類語]玄米白米新米古米古古米粳米もち糯米黒米胚芽米精白米内地米外米早場米遅場米新穀米粒飯粒小米屑米

うる【×粳】

あわきびなどで、炊いたときに粘りけの少ない品種。うるち。→もち

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精選版 日本国語大辞典 「粳」の意味・読み・例文・類語

うる【粳】

  1. 〘 名詞 〙 稲、粟(あわ)、黍(きび)などで、炊いた時にねばりけの少ない品種群。うるしね。うるち。⇔糯(もち)。〔日本一鑑窮河話海(1565‐66頃)〕
    1. [初出の実例]「赤小豆餠・こ餠・粟餠どしつくとわが銭(ぜに)無くは粳(ウル)も得搗かじ」(出典仮名草子仁勢物語(1639‐40頃)上)

うるち【粳】

  1. 〘 名詞 〙 粘り気の少ない澱粉(でんぷん)アミロース主成分とし、飯として常食にする米。うる。うるごめ。うるちまい。うるしね。⇔糯(もち)。《 季語・秋 》 〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕

粳の語誌

古形ウルシネのシネ(稲)の語義が忘れられてウルシと下略され、さらにウルチになったと考えられる。

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普及版 字通 「粳」の読み・字形・画数・意味


13画

(異体字)
9画

[字音] コウカウ
[字訓] うるち

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(更)(こう)。字はまたに作り、亢(こう)声。〔説文七上正字とし、「稻の屬なり」とし、字はまたに作るという。粳は俗体の字であるが、のち多くこの字を用いる。

[訓義]
1. うるち。
2. わが国では糠と同じく、ぬか、あらぬかの意に用いる。

[古辞書の訓]
名義抄〕粳 ハル/粳・ アラヌカ・ウルシネ 〔字鏡集〕粳・ シラケヨネ・ウルシネ

[熟語]
粳稲・粳米粳糧粳粱

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改訂新版 世界大百科事典 「粳」の意味・わかりやすい解説

粳 (うるち)

イネ,トウモロコシ,キビ,アワなどの穀類にみられるデンプン性質,またはそのような性質をもった種子をさし,もちに比べ炊いたときに粘りが少ない。一般には飯に炊いて普通に食べる米(うるち米)のことで,粘りの違いはデンプンの性質の差による(うるち米デンプンはアミロース20%,アミロペクチン80%,もち米デンプンはほとんどアミロペクチンのみからなる)。うるち米は胚乳が不透明なものが多く光沢がある。国内産米の95%はうるち米であり,大部分は水田につくる水稲で,一部畑につくるおかぼ(陸稲)がある。うるち米は飯のみならずみそや酒の原料にもなる。またこのほかに糝粉(しんこ),香煎(こうせん),せんべい,だんごなど各種の菓子原料となる。

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百科事典マイペディア 「粳」の意味・わかりやすい解説

粳【うるち】

もち(糯)に対する語。イネ,トウモロコシ,オオムギなどイネ科の植物のデンプンにみられる性質で,糯よりもアミロースが多い。糯にくらべると煮たときに粘りが少ない。ヨウ素により青紫色に染まる。飯米に用いるのは粳米である。
→関連項目イネ(稲)

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動植物名よみかた辞典 普及版 「粳」の解説

粳 (イネ)

学名:Oryza sativa
植物。イネ科の一年草,薬用植物

粳 (ウルシネ・ウルチ)

植物。粳種の稲または粟の別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【イネ(稲)】より

…インドネシアなど南アジアの島嶼(とうしよ)部で栽培されるイネは中間型のものが多い。
[水稲と陸稲およびうるち種ともち種]
 日本型とインド型の別を問わず,イネは耕地の水条件に適応して分化したとみられる水稲と陸稲(おかぼ)に区別される。水稲は通常湛水(たんすい)した水田に栽培されるが,耐乾性の強い陸稲は畑に栽培される。…

【米】より

…インド型の米は日本型にくらべて粒形が細長く,飯に粘りがないのが特徴で,日本人の嗜好(しこう)にはあわない。(2)うるち(粳)米ともち(糯)米 日本型,インド型のどちらの米にも,うるち米ともち米がある。飯に炊いて普通に食べるのがうるち米で,精米は半透明なものが多く,光沢がある。…

【栽培植物】より

… 栽培植物にのみ見いだされる特殊な形質の一例は,イネ科穀類の内乳貯蔵デンプンのもち(糯)性である。普通の貯蔵デンプンはうるち(粳)性でアミロース約20~25%,アミロペクチン約75~80%からなっている。この形質が劣性突然変異を起こして生じたものがもち性で,デンプンはアミロペクチンのみからなっている。…

※「粳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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