逆鱗(読み)ゲキリン

デジタル大辞泉 「逆鱗」の意味・読み・例文・類語

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精選版 日本国語大辞典 「逆鱗」の意味・読み・例文・類語

げき‐りん【逆鱗】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「げき」は「逆」の漢音。龍ののどもとにさかさに生じた一枚のうろこがあって、人が触れると怒って殺すという「韓非子‐説難」の故事から。龍は天子をたとえる )
  2. 天子が怒ること。帝王が立腹すること。天皇の怒り。
    1. [初出の実例]「犯主逆鱗国、為朝骨鯁居」(出典田氏家集(892頃)下・奉傷致仕藤御史)
    2. 「主上逆鱗有りて、清盛既に伯父を誅す」(出典:保元物語(1220頃か)中)
    3. [その他の文献]〔史記‐荊軻伝〕
  3. はげしく怒ること。ふつう、目上の人が怒る場合に用いる。
    1. [初出の実例]「羽柴筑前御届をも申上げず帰陣仕候段、曲事の由御逆鱗なされ」(出典:信長公記(1598)一〇)
    2. 「文(ふみ)引裂て面色変り、〈略〉歯を喰しめてげきりんある」(出典:浮世草子・風流曲三味線(1706)四)

ぎゃく‐りん【逆鱗】

  1. 〘 名詞 〙げきりん(逆鱗)〔広益熟字典(1874)〕

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とっさの日本語便利帳 「逆鱗」の解説

逆鱗

竜にはのどの下に直径一尺の逆になった鱗があり、これに触れる者があれば必ず殺してしまうという。人主にもまた逆鱗があるから、王への説(ぜい)はそれに触れないようにして初めて可能になる、と韓非は説く。

出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報

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