デジタル大辞泉
「直情径行」の意味・読み・例文・類語
ちょくじょう‐けいこう〔チヨクジヤウケイカウ〕【直情径行】
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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ちょくじょう‐けいこうチョクジャウケイカウ【直情径行】
- 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 感情をいつわらないで思うとおりに行動すること。また、そのさま。
- [初出の実例]「直情径行に任せば禽獣何ぞ択ばん、何ぞ夫婦の別あらん」(出典:明六雑誌‐二二号(1874)夫婦有別論〈津田真道〉)
- [その他の文献]〔礼記‐檀弓下〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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直情径行
感情をいつわらないで思うとおりに行動すること。
[活用] ―な・―の・―だ。
[使用例] 生一本の直情径行を看板にして思う存分我儘勝手に振る舞うは昔の疳癖の強いお大名そのままである[内田魯庵*読書放浪|1933]
[使用例] そのくせ、砂村はスペインの画家ゴヤとか、イタリアの音楽家チェリーニとか、そう云った直情径行の人間が好きで、彼等の伝記を愛読していた[小島政二郎*甘肌|1954]
[使用例] 荒木はまた直情径行で、純粋さを好む性格で、このため青年将校たちから慕われ、発覚したクーデター計画では、しばしば荒木の名が軍革命政府の首班としてあげられていた[城山三郎*落日燃ゆ|1974]
[解説] 中国・戦国時代の「礼記」にあることばです。孔子の門人である有子と子游が、礼儀作法の意味について語り合う場面に出てきます。
「葬礼の時に、なぜ悲しみの踊りを踊るのか、長いこと理解できなかったよ」
と言う有子に、子游が答えます。
「踊りなどの礼儀作法には、悲しみなどの気持ちを抑える働きがあるよね。悲しいからといって、感情のままにふるまうのは、野蛮人のすることだからね」
ここに出てくる「感情のままにふるまう」の原文が「直情而径行」です。読み下すと「情を直くして径ちに行う」。
これでわかるように、「直情径行」は、「礼記」では野蛮というニュアンスで語られています。ところが、今日ではむしろ「思ったとおり、すぐに行動する」と、肯定的なニュアンスがあります。
夏目漱石の「坊っちゃん」の主人公は、直情径行の典型例です。建前で固めた俗物たちと対決する坊っちゃんは、幅広い読者に愛されています。
出典 四字熟語を知る辞典四字熟語を知る辞典について 情報
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