驕る(読み)オゴル

デジタル大辞泉 「驕る」の意味・読み・例文・類語

おご・る【×驕る/傲る】

[動ラ五(四)]地位権力財産才能などを誇って、思い上がった振る舞いをする。「勝利に―・る」
[類語]威張る付け上がる高ぶるうぬぼれる誇る自慢思い上がるおのぼれる誇らしい胸を張る肩身が広い鼻が高い鼻高高勝ち誇る威張り散らす反り返る振り回す鼻にかける増長慢心自画自賛誇示おご誇り驕傲きょうごう矜持倨傲きょごう自負自負心自賛自嘆自任自得天狗うぬぼれプライド高慢自尊自尊心気位きぐらい得意思い上がり唯我独尊手前味噌我褒め身褒めのぼせるのぼせ上がる背負しょ

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精選版 日本国語大辞典 「驕る」の意味・読み・例文・類語

おご・る【驕・奢】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. 人に優越した自分立場を当然と思う。いい気になる。得意になる。増長する。わがままにふるまう。
    1. [初出の実例]「侮(あなづ)り嫚(オゴリ)て、自ら賢とおもへり」(出典:日本書紀(720)継体二一年八月(前田本訓))
  3. 必要以上にぜいたくな状態になる。
    1. [初出の実例]「富める者をば日にますます侈(ヲコラ)しめ、貧乏の者をばいよいよ貧窮を益す」(出典:守護国界主陀羅尼経平安中期点(1000頃)一〇)
  4. 転じて、自分の金で飲食や物品を他人にふるまう。
    1. [初出の実例]「何でもそばをおごるなら、こん夜は此内での色おとこに買せふではないか」(出典:咄本・聞上手二篇(1773)己惚)
  5. 馬などが制御しがたいほどいきりたつ。

驕るの語誌

「観智院本名義抄」には、「奢・傲・侈・誇・矜・詡」などの漢字に「オゴル・ホコル」の両訓が施され、また、「書陵部本名義抄」には「オゴル(上・上濁・平)」「ホコル(上・上・平)」のアクセントが示されていて、「ほこる」との語義・語形の類似が認められる。「おごる」「ほこる」両語の第一義はほぼ類似するが、「ほこる」が「すぐれていると思う気持態度に表わす」のに対し、「おごる」は「人に優越した自分の立場を当然と思って行動する」意を表わす。そこから「おごる」には江戸時代以降、の意が生じることになる。

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