得意(読み)トクイ

デジタル大辞泉の解説

[名・形動]
自分の思いどおりになって満足していること。「得意の絶頂」⇔失意
誇らしげなこと。また、そのさま。「得意な顔」「得意になる」
最も手なれていて自信があり、じょうずであること。また、そのさま。得手(えて)。「得意な競技種目」「得意中の得意
いつも商品を買ってもらったり取引したりする相手。顧客(こかく)。お得意。
親しい友。
「東山の辺にぞ―はある。いでさらば文をやらう」〈平家・五〉
[派生]とくいがる[動ラ五]とくいげ[形動]とくいさ[名]

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典 第2版の解説

店商(みせあきない)や市商(いちあきない)の行われにくい場所では,かつて行商(ぎようしよう)が盛んに行われた。行商には,呼売や振売(ふりうり)など近まわりのものから,近江商人富山の薬売のように全国的なものまであった。漁村では,獲れた鮮魚近郊農村などに売り歩く婦人の行商が,多くみられた。これらは,イタダキやボテフリ,オタタなどと呼ばれたが,それぞれ,売り歩く先に得意をもっていた。これらの得意先は,行商人によって固定している場合が多く,母から娘へ,あるいはから嫁へ引き継がれ,数代にわたってその関係を維持してきたものも多い。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

名 ・形動 [文] ナリ 
望みがかない満足していること。 ⇔ 失意 -の絶頂
誇らしげな・こと(さま)。 優勝して-な顔をする
上手で、そのことに自信もある・こと(さま)。えて。おてのもの。 -な技 -中の- お-の料理
商店などで、よく品物を買ってくれる客。 上- お-さん -客
親しい友。 彼の項伯と年来-として一事を隔つることなし/今昔 10
[派生] -が・る -げ 形動 -さ

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (意を得るの意)
① (━する) 自分の気持にかなうこと。また、その結果満足すること。目的を達して満足していること。
※菅家文草(900頃)二「憤釈愁慰、朗然如醒。予重抒蕪詞、謝其得意」 〔史記‐蘇秦伝〕
② 自分の気持を理解する人。親しい友。昵懇(じっこん)にする人。知友。また、知り合い。
※菅家文草(900頃)二・山家晩秋「千万人家一世間、適逢得意還」
※源氏(1001‐14頃)明石「入道はかの国のとくゐにて、年ころあひかたらひ侍れど」
③ (形動) 自信があり、また、十分に慣れていること。それに熟達していること。また、そのさま。えて。
※古事談(1212‐15頃)一「或主殿司若令得意人守護之
※花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉四八「必ず共に君の得意(トクイ)なる所のものも亦談じ」
④ ひいきにすること。また、その人。
※枕(10C終)八七「御とくいななり、さらによもかたらひとらじ」
⑤ いつも取引きする先方。商家などで、いつもきまって買いに来てくれる客。得意先。顧客。
※浮世草子・好色一代男(1682)二「元来(もとより)商のとくい、殊更にあしらい」
※当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉一一「それから愛顧客(トクイ)も減ったといふから」
⑥ (形動) 自信をもって誇らしげにふるまうこと。盛んに自慢すること。誇りたかぶること。また、そのさま。
※将来之日本(1886)〈徳富蘇峰〉六「意気揚々として市中を横行するの時に於ては。道傍の人誰も天晴れ貴人なりと指し語るを見て自ら得意となす」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

妨害運転罪

2020年に施行された改正道路交通法で新設された罰則。他の車の通行を妨げる目的で、車間距離の不保持、急ブレーキ、幅寄せや蛇行運転、対向車線からの接近や逆走をするなどの10の違反行為を妨害運転と定義して...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

得意の関連情報