潰す(読み)ツブス

デジタル大辞泉 「潰す」の意味・読み・例文・類語

つぶ・す【潰す】

[動サ五(四)]
1 力を加えてもとの形を崩す。「にきびを―・す」「空き缶を―・す」
2 本来の働きができないようにする。役に立たなくする。だめにする。「声を―・す」「計画を―・す」
3 家や会社などが成り立っていかないようにする。立ちゆかなくさせる。「会社を―・す」「店を―・す」
4 体面や心の平静を失わせる。「面目を―・す」「肝を―・す」
5
㋐他の事に使うために、もとの形を変える。「畑を―・して宅地にする」
㋑特に、金属の製品を溶かして地金じがねにもどす。鋳いつぶす。「銅像を―・す」
6 家畜を、料理して食べるため殺す。「鶏を―・す」
7 空いている時間を他の事をして過ごす。「喫茶店で時間を―・す」「テレビを見てひまを―・す」
8 空いたところをふさぐ。「穴を―・す」
9 すきまなく一面におおう。「塗り―・す」
[可能]つぶせる
[類語]壊す・崩す・ばらす・破壊する・損壊する・毀損きそんする・破損する・損傷する・損ずる・損そこなう・毀こぼつ・傷付ける・欠く・砕く・割る・破る・打ち砕く・打ち壊す・ぶち壊す・取り壊す・叩き壊す・破砕・砕破・全壊・壊滅・押し潰す・踏み潰す・伸のす・圧へす・叩き潰す・ひねり潰す・ぺしゃんこ・ぺちゃんこ・ぐしゃっと・ぐしゃり・ぐちゃり・ぐちゃぐちゃ・ぐしゃぐしゃ

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精選版 日本国語大辞典 「潰す」の意味・読み・例文・類語

つぶ・す【潰】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. [ 一 ] もとの形をくずす。
    1. ① 外部から圧力を加えてもとの形をおしくずす。おしつけてこわす。破壊する。また、圧して平たくする。
      1. [初出の実例]「虫のちをつぶして身にはつけずとも思ひ染めつる色なたがへそ」(出典:類従本赤染衛門集(11C中))
    2. ② ある物を他に転用するために原形を失わせる。こわして、もとの役に立たなくする。
      1. [初出の実例]「もう大抵潰すかどうかして無くしてゐるだらう」(出典:疑惑(1913)〈近松秋江〉)
    3. ③ 金属製品を溶かして地金にする。鋳つぶす。
      1. [初出の実例]「つぶしても金に成る物、こっちは丈夫じゃ」(出典:歌舞伎・幼稚子敵討(1753)三)
    4. ④ 家畜などを食べるために殺す。
      1. [初出の実例]「牛肉屋の亭主も入って来たは、屠(ツブ)された後の肉を買取る為であらう」(出典:破戒(1906)〈島崎藤村〉一〇)
    5. ⑤ 女を自分の情人とする。
      1. [初出の実例]「つぶして居る、色事して居る」(出典:南水漫遊拾遺(1820頃)四)
  3. [ 二 ] 機能や正常な状態を失わせる。
    1. ① 心の平静を失わせる。心を驚かす。「肝をつぶす」「胸をつぶす」の形で用いる。
      1. [初出の実例]「猶このにくき御心のやまぬに、ともすれば御胸をつぶし給ひつつ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)賢木)
    2. ② からだの機能、特に、目・耳・喉のはたらきを失わせる。「目をつぶす」
      1. [初出の実例]「繁は机の前に固くなって坐ったまま、強ひて耳を聾(ツブ)して居る」(出典:青春(1905‐06)〈小栗風葉〉夏)
    3. ③ 正気をなくさせる。正体をなくすようにする。「酔いつぶす」
    4. ④ 破産させる。身代や財産を使い果たす。絶やす。滅ぼす。また、役に立たなくさせる。解体する。
      1. [初出の実例]「諸事に付て内証の奢(おごり)より身体(しんだい)をつぶしぬ」(出典:浮世草子・西鶴織留(1694)一)
      2. 「代々伝って来た店潰(ツブ)したとあっては」(出典:いさなとり(1891)〈幸田露伴〉二八)
    5. ⑤ 面目を失わせる。ふみにじる。無視する。
      1. [初出の実例]「こな様(さん)ばかり来ずに居て付き合が済むのかい、ただしはおいらを潰(ツブ)すのか」(出典:浄瑠璃・妹背山婦女庭訓(1771)四)
  4. [ 三 ] 空いているところをうめる。
    1. ① 空いている時間を他のことをして費やす。また、時間をむだに費やす。
      1. [初出の実例]「人間といふものは時間を潰す為めに強いて口を運動させて」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉二)
    2. ② すきまをうずめる。すきまなくおおう。一面におおう。「塗りつぶす」
      1. [初出の実例]「魚河岸だとか大根河岸だとか真ん中に黒く書いて廻りを赤く朱でつぶしてある」(出典:落語・心の眼(1899)〈初代三遊亭金馬〉)

つや・す【潰・費】

  1. 〘 他動詞 サ行四段活用 〙
  2. ① つかい尽くす。消費する。浪費する。〔羅葡日辞書(1595)〕
    1. [初出の実例]「タカラヲ tçuyasu(ツヤス)」(出典:日葡辞書(1603‐04))
  3. ② つぶす。滅ぼす。破壊する。
    1. [初出の実例]「かの入鹿の大臣は、天下を軽くするのみならず、国をつやせる逆徒たり」(出典:幸若・いるか(近代日本文学大系所収)(室町末‐近世初))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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