かい【界】
〘名〙
①
さかい。また、さかいのうち。区域。区画。
世界。
② 特に、ある限られた仲間、社会。
※浮世草子・風流曲三味線(1706)二「さしうつむいたる粧
(けは)ひ、此
(この)界
(カイ)の
大黒とは見へず、吉祥天女に五割もよく」
※学問のすゝめ(1872‐76)〈
福沢諭吉〉九「満足にも二様の区別ありて其界を誤る可らず」
④ (
Dhātu の訳。層、要素の意で、
種族の義があるともいう) 仏語。
(イ) 分類を行なう場合の
範疇(はんちゅう)となるもの。六根、六境、
六識を総括して十八界といい、地、水、火、風、空、識の六つを六界というごとき場合。
(ロ) 境界
(きょうがい)または世界。欲界、色界、
無色界のごとき場合。
※九冊本宝物集(1179頃)九「この界にして
彌陀の名号を一ぺんとなふれば、さいはうじゃう刹に一の蓮生ず」
⑤ 文章の
行間、あるいは用紙の上下の部分に引かれた線。罫
(けい)。
※延喜式(927)一三「凡写二年料仁王経十九部一〈略〉鹿毛筆二管 堺料」
⑥ 工芸品などのしたがきに引かれた線。
⑧
地質時代の
時代区分「代」に相当する
地質系統。代の期間に堆積した地層および形成されたすべての岩石のことで、たとえば古生代にできた地層や岩石を古生界と呼ぶ。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「界」の意味・読み・例文・類語
かい【界】
1 区切り。境。仕切り。「界を接する」
2 限られた社会や範囲。多く接尾語的に用いる。「社交界」「文学界」
3 《〈梵〉dhātuの訳。部類・要素・基礎などの意》仏語。
㋐人間存在の構成要素として類別の範疇となるもの。六根と六境と六識のそれぞれを界として、十八界をたてる。
㋑宇宙の構成要素。地・水・火・風・空・識の六大のこと。六界。
㋒領域または世界。欲界・色界・無色界の三界。
4 生物分類学上の基本階級の一つ。門の上に位置し、従来は最上位の分類群とされていたが、現在は界の上にドメインという階級が設けられている。
5 地質年代による地層区分の最大の単位。年代区分の「代」に対応し、「系」をいくつか集合したもの。古生代・中生代・新生代の地層を、古生界・中生界・新生界とよぶ。
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界【かい】
地質系統の最も大きな区分単位。地質年代の代に対応する。たとえば古生界は古生代に形成された地層・岩体をさす。
→関連項目代
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