(読み)キョウ

デジタル大辞泉 「共」の意味・読み・例文・類語

きょう【共】[漢字項目]

[音]キョウ(漢) [訓]とも
学習漢字]4年
〈キョウ〉
いっしょに。ともに。「共演共学共感共存共著共通共闘共同共有共和公共
共産主義共産党のこと。「反共防共容共
〈とも(ども)〉「共共共寝身共諸共もろとも
[名のり]たか

ども【共】

[接尾]
一人称代名詞、または自分の身内を表す名詞に付いて、謙譲の気持ちを表す。「私と致しましては」
人を表す名詞に付いて、複数であることを表す。「若い者が手伝いに来た」
人を表す名詞に付いて、相手への呼びかけに用いる。
「嫗―、いざたまへ」〈大和・一五六〉
たち[用法]
[類語]とう等等

とも【共】

同じであること。同一。「コートのドレス」「生地
一緒。また、同時。「起居にした仲」

㋐名詞の上に付いて、一対のものが同類である、また、同じ性質であるという意を表す。「働き」「切れ」「ぶた
㋑名詞の下に付いて、それが一緒に込められている意を表す。「送料一〇〇〇円」「付録五〇〇円」
㋒複数を表す名詞に付いて、それが全部同じ状態であることを表す。「二人学生だった」「男女若かった」→共に

ぐち【共】

[接尾]《近世上方語》名詞に付いて、…とともに、…ごと、などの意を表す。
台子だいすの湯もたぎってあろ。釜―そっと取ってこい」〈浄・手習鑑

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「共」の意味・読み・例文・類語

ども【共】

  1. 〘 接尾語 〙
  2. 名詞・代名詞に付いて、そのものを含めて、同類の物事が数多くあることを示すが、必ずしも多数とは限らないで、同類のものの一、二をさしてもいう。人を表わす場合は「たち」に比べて敬意が低く、目下、または軽蔑すべき者たちの意を含めて用いる。現代では、複数の人を表わすのに用いられることが多い。
    1. [初出の実例]「大和の 高佐士野(たかさじの)を 七(なな)行く 嬢子(をとめ)杼母(ドモ) 誰をし枕(ま)かむ」(出典:古事記(712)中・歌謡)
    2. 「酒、よきものども持て来て、舟に入れたり」(出典:土左日記(935頃)承平四年一二月二八日)
  3. 自称の代名詞、または自分の身内の者を表わす名詞に付けて、単数・複数にかかわらず、謙遜した表現として用いる。「私ども」「親ども」など。
    1. [初出の実例]「是はいかな事、身共は不念な事を致た」(出典:虎寛本狂言・末広がり(室町末‐近世初))
  4. 人を表わす名詞に付いて、相手への呼びかけとする。目下の者に対する時で、単数の場合がある。「野郎ども」など。
    1. [初出の実例]「嫗ども、いざたまへ。寺に尊き業する、見たてまつらむ」(出典:大和物語(947‐957頃)一五六)

とも【共】

  1. 〘 造語要素 〙
  2. 一対のものが、同類である、または同じ状態である意を表わす。「とも裏」「とも働き」「とも白髪」など。
  3. 複数のものを表わす名詞に付いて、それが全部いっしょの状態であることを示す。「二人とも」「男女とも」など。
  4. 従となるものを表わす名詞に付いて、それが、主となるものに込められていることを示す。こみ。「送料とも」「税金とも」など。

むた【共】

  1. 〘 名詞 〙 名詞または代名詞に、格助詞「の」「が」の付いた形に接続して、「…とともに」「…のままに」の意の副詞句を構成する。
    1. [初出の実例]「浪の共(むた) 彼寄り此(かく)寄る 玉藻なす 寄り寝し妹を」(出典:万葉集(8C後)二・一三一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「共」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 6画

[字音] キョウ
[字訓] つつしむ・そなえる・ともに

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
(きよう)(廾)と同じく左右の手。卜文はに作り、金文はそれぞれ上に(こん)形のものをもって奉ずる形で、恭の意に用いる。すなわち共は恭の初文である。〔説文〕三上に「同(とも)にするなり。廿(しふ)・廾(きよう)に從ふ」とし、〔段注〕に廿を二十人と解して、二十人がみな竦手(しようしゆ)して拝する形とするが、廿は捧げるものの形、おそらく礼器であろう。礼器を奉じて拱手するので恭の意となる。〔儀礼、郷飲酒礼〕「きて共す」は拱手。左右の手を共にするので共同の意となり、また供献の意となる。

[訓義]
1. つつしむ、うやうやしい、拱手。恭の初文。
2. ともにする、一にする、あわせる。
3. そなえる、さずける、たす、供えもの。

[古辞書の訓]
名義抄〕共 トモニ 〔字鏡集〕共 マウク・トモニ・トモカラ・トモナリ・オナジ・イヤイヤシ・ウケタマハル・ソナフ・ミナ・ウスシ・トモ・トモセリ・ナホシ・モロモロ・トル

[声系]
〔説文〕に共声として鬨・供・・恭・・洪・拱・の十字を収める。供・恭・拱は一系の字。は手錠。の初形は両邑相対する形で、共の形を含む字ではない。

[語系]
共・・拱kiongは同声。卜文ではを供に、金文では共を恭の意に用いる。みな通用の字であった。

[熟語]
共懿・共惟・共允・共億・共恪・共学・共貫・共感・共気・共軌・共議・共給・共勤・共倹・共済・共財・共事・共持・共承・共食・共斟・共・共存・共治・共張・共通・共逓・共同・共徳・共乳・共犯・共奉・共謀・共鳴・共有・共用・共養・共楽・共和
[下接語]
敬共・虔共・公共・靖共・不共

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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