一瀉千里(読み)イッシャセンリ

デジタル大辞泉 「一瀉千里」の意味・読み・例文・類語

いっしゃ‐せんり【一×瀉千里】

《川の水が一度流れだすと、またたく間に千里も流れる意から》
物事が速やかにはかどり進むこと。「仕事一瀉千里に片付ける」
文章弁舌のよどみないことのたとえ。「一瀉千里に物語る」
[類語](1一気呵成身軽い身軽軽軽かるがる軽快かろやか簡捷かんしょうはしこいすばしこい素早い手早い敏速敏活迅速敏捷びんしょう手ばしこい手早速やか速い足早早足小走り機敏急ピッチ矢の如しはかばかしい目にも留まらぬひらりひょいひょいひょいぴょんぴょんぴょんてきぱきしゃきしゃききびきびずんずんクイックスピーディーハイペースさっとちゃちゃとちゃちゃっとさっさとっととついとつっとつとすいとすっとぱっとすたすた/(2立て板に水

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精選版 日本国語大辞典 「一瀉千里」の意味・読み・例文・類語

いっしゃ‐せんり【一瀉千里】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「瀉」は水が流れ下る意。一度流れ始めると一気に千里も流れるというところから )
  2. 川の流れが速く、勢いの激しいこと。
    1. [初出の実例]「一瀉千里の波も少時留まりて」(出典:帰省(1890)〈宮崎湖処子〉七)
    2. [その他の文献]〔福恵全書‐二九〕
  3. 物事の進み具合の勢いが激しく、よどみなく一気にはかどること。
    1. [初出の実例]「西方の運動に於ては〈略〉一瀉千里忽にして中央亜細亜に龍蟠し」(出典:将来之日本(1886)〈徳富蘇峰〉四)
    2. 「時勢は一瀉千里の勢で流れて行く」(出典:黒潮(1902‐05)〈徳富蘆花〉一)

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四字熟語を知る辞典 「一瀉千里」の解説

一瀉千里

物事の進み具合の勢いが激しく、よどみなく一気にはかどること。また、弁舌や文章などが巧みですらすらといくこと。

[活用] ―に物語る。

[使用例] よく意味も解らないで一瀉千里に書き流して来たが[有島武郎*或る女|1919]

[使用例] 皆さん、難事件を一瀉千里に解決して下さって感謝します[井伏鱒二多甚古村|1939]

[解説] 「瀉」は水が流れ下ること。もともとは、大河の水が一度流れ始めると一気に千里も走り流れるという意味。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「一瀉千里」の意味・わかりやすい解説

一瀉千里
いっしゃせんり

物事の進行の早いことや、文章や弁舌が鋭く明快でよどみのないことのたとえ。「瀉」は水が下へ流れ注ぐ意で、川の水が勢いよく、一気に千里の遠くまでも流れ下っていくさまをいう。『福恵(ふくけい)全書』巻29に、「儼然(げんぜん)たる峡裡(きょうり)の軽舟(けいしゅう)、片刻一瀉にして千里」とある。

[田所義行]

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