捗捗しい(読み)ハカバカシイ

デジタル大辞泉 「捗捗しい」の意味・読み・例文・類語

はかばか‐し・い【▽捗▽捗しい/▽果▽果しい】

[形][文]はかばか・し[シク]
1 物事が望ましい方向へ進むさま。順調に進むさま。多く打消しの語を伴って用いる。「工事の進みぐあいが―・くない」「回復が―・くない」
2 際立っている。はっきりしている。
「空の気色、―・しくも見えず」〈更級〉
3 頼りがいがある。しっかりしている。
「取り立てて―・しき後見しなければ」〈源・桐壺〉
4 身分や行動がきちんとしている。ちゃんとしている。
「都の内といへど、―・しき人の住みたるわたりにもあらず」〈源・玉鬘〉
5 表向きで堂々としているさま。れっきとしている。
「この魚、おのれら若かりし世までは、―・しき人の前へ出づること侍らざりき」〈徒然・一一九〉
6 ふてぶてしくて、したたかである。
「あら、―・しや、盗人よ」〈謡・烏帽子折〉
[派生]はかばかしげ[形動]はかばかしさ[名]
[類語](1)円滑・スムーズ・すいすい・とんとん拍子・着着・順調・快調・好調・淀みない・淀みなく・上首尾・首尾良く・とんとん・すらすら・みるみる・ずんずん・ぐんぐん・どんどん・はかどる・身軽い・身軽・軽軽かるがる・軽快・軽かろやか・簡捷かんしょう・はしこい・すばしこい・素早い・手早い・敏速・敏活・迅速・敏捷びんしょう・手ばしこい・手早・速やか・速い・足早・早足・小走り・機敏・一瀉いっしゃ千里・急ピッチ・矢の如し・目にも留まらぬ・ひらり・ひょい・ひょいひょい・ぴょん・ぴょんぴょん・てきぱき・しゃきしゃき・きびきび・クイック・スピーディー・ハイペース・さっと・ちゃちゃと・ちゃちゃっと・さっさ・とっとと・ついと・つっと・つと・すいと・すっと・ぱっと・すたすた・電光石火・あっと言う間・間髪を容いれず・立ち所に・即座・即刻・時を移さず・すぐさま・途端・たちまち・刻刻・刻一刻・時時刻刻・次第次第に・矢継ぎ早・波に乗る

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精選版 日本国語大辞典 「捗捗しい」の意味・読み・例文・類語

はかばか‐し・い【捗捗・果果】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]はかばかし 〘 形容詞シク活用 〙 ( 目当て・当てどの意を表わす「はか」を重ねて形容詞化した語 )
  2. ① 物事が順調に進行するさま。うまくいくさま。
    1. (イ) 動作、処置などが機敏である。とどこおりがなく、しっかりしている。てきぱきと如才がない。
      1. [初出の実例]「一手つかうまつりしを、そもそもはかばかしうや侍りけんにだに覚え侍らず」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
    2. (ロ) 思わしい状態である。また、思わしい状態に事が運ぶ。順調である。効果的である。首尾よい。
      1. [初出の実例]「かやうの御ありきには、随身がらこそはかばかしき事もあるべけれ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)末摘花)
  3. ② しっかりしていて頼みになる。頼もしい。有能である。役にたつ。
    1. [初出の実例]「はかばかしき人もなく」(出典:落窪物語(10C後)一)
  4. ③ 際立っている。目覚ましい。立派である。また、はっきりしている。明確である。
    1. [初出の実例]「少しはかはかしき物え奉らで死なば、いふかひなき物とおぼすべし」(出典:落窪物語(10C後)四)
  5. ④ 重要である。表向きである。身分が高く、しっかりしている。また、私的生活に対して公である。正式だ。本格的だ。
    1. [初出の実例]「まつりごとの趣をしたため知らむ事は、はかばかしからず、あはつけきやうに覚えたれど」(出典:源氏物語(1001‐14頃)行幸)
  6. ⑤ したたかである。ずうずうしい。ふてぶてしい動作、態度などについて、相手に呼びかける時などにいう。
    1. [初出の実例]「あらはかばかしや盗人よ」(出典:謡曲・烏帽子折(1480頃))

捗捗しいの補助注記

「はかない」の「はか」と同じ語根をもち、意味上も「はかない」と対応する。

捗捗しいの派生語

はかばかし‐が・る
  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙

捗捗しいの派生語

はかばかし‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

捗捗しいの派生語

はかばかし‐さ
  1. 〘 名詞 〙

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