デジタル大辞泉 「科」の意味・読み・例文・類語
か【科】[漢字項目]
[学習漢字]2年
1 物事を系統的に分類すること。分類された部門の一つ一つ。「科学・科目/医科・学科・教科・外科・工科・専科・百科・分科・文科・予科・理科」
2 罪を区分した法律の条文。また、それで罪を決めること。とが。「科料/罪科・重科・前科・金科玉条・犯科帳」
3 中国で、官吏登用試験の科目。「科挙」
4 俳優の動作。しぐさ。「科白」
[難読]
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
生物分類学上の一階級(カテゴリー)であって、基本的には目と属の中間に位するが、目が亜目に、またさらに上科superfamilyなどに分割されるときは、その下位になり、科内に亜科subfamilyあるいは族などの階級が置かれるときはその上位になる。科は1属のみで形成される場合もあるが、多くの場合2ないし多数の属の集合から成り立っており、その特徴となる形質もそれぞれの生物群によって多様であるから、生物全体としてみればかならずしも同等の段階にあるとはいえないが、一般に各科内に含まれる生物は他科のものと異なる共通した明らかな特徴を備えている。その意味で、科は概して系統的に互いに類縁をもつ属を集合した自然群であるといえるであろう。同じ科に属する生物が外見からも類似を感じさせることが多いのも事実である。
科の学名は、そこに含まれる属のうち代表的な1属(模式属または基準属type genus)の属名に、一定の語尾をつけて形成される。動物の場合には-idae、植物の場合には-aceaeがこの語尾で、たとえばイヌ科Canidaeはイヌ属Canis、アゲハチョウ科Papilionidaeはアゲハチョウ属Papilio、スミレ科Violaceaeはスミレ属Viola、ユリ科Liliaceaeはユリ属Liliumに由来し、名称の命名者は省くのが原則である。ただし、植物では古くからの慣用でキク科Compositaeやアブラナ科Cruciferaeのように規約に拘束されない名称もある。科の概念は属よりもあとになって生じてきたもので、初めは目としてあげられた名のなかに科に相当するものがあり、目と科の区別が明瞭(めいりょう)でない時期もあった。研究が進展するにつれ種々の特徴がみいだされ、従来の科が分割され、あるいはさらに上位に格づけされるような場合も少なくない。
[中根猛彦]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報
…植物では,目order以下の階級のすべての分類群については,一定の条件の下で先取権priorityが認められており,規約に合うように公表された最も古い学名を正名correct nameとすることになっている。一方,動物の場合には,科family以下の階級の分類群だけに命名規約が適用されるが,ふつうはより高次の分類群についても規約を準用している。また,命名の出発点も植物と動物とで異なり,植物の場合は分類群により,1753年5月1日以後のいくつかの時点を出発点に定めているが,動物の場合はすべて1758年1月1日が出発点になる。…
…命名については国際動物(植物)命名規約によって方法が規定されている。 分類群の階級としては,種speciesを基本的な単位として,それより上級に属genus,科family,目order,綱class,門division(動物ではphylum)などが設けられ,それらの間にもいくつかの階級を設けてもよいことになっている。種以下の分類群としては,動物の命名規約では,亜種subspeciesだけが認められているが,植物の場合には,亜種のほかに変種variety,亜変種,品種などの階級も認められている。…
※「科」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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