(読み)ゾウ

デジタル大辞泉 「蔵」の意味・読み・例文・類語

ぞう【蔵〔藏〕】[漢字項目]

[音]ゾウ(ザウ)(呉) [訓]くら かくす おさめる
学習漢字]6年
ゾウ
中にしまっておく。隠して表に現さない。「蔵書蔵匿愛蔵家蔵死蔵収蔵所蔵退蔵貯蔵内蔵秘蔵腹蔵包蔵埋蔵冷蔵
物をしまっておく建物くら。「土蔵宝蔵
すべてを包括するもの。「経蔵三蔵律蔵
大蔵省のこと。「蔵相
〈くら(ぐら)〉「蔵元穴蔵金蔵米蔵酒蔵
[名のり]おさむ・ただ・とし・まさ・よし
難読蔵人くろうど蔵王ざおう西蔵チベット

くら【蔵/倉/庫】

家財・商品などを安全に保管するための建物。倉庫
歌舞伎などで、予定していた興行をやめにすること。→御蔵おくら1
鎌倉・室町時代、質屋のこと。
[類語]物置納屋納戸倉庫土蔵穴蔵金蔵米蔵穀倉書庫文庫

ぞう〔ザウ〕【蔵】

所有していること。また、その物。「好事家にかかる浮世絵」「国立博物館

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精選版 日本国語大辞典 「蔵」の意味・読み・例文・類語

ぞうザウ【蔵】

  1. 〘 名詞 〙 おさめもつこと。また、その物。所有。所蔵。

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普及版 字通 「蔵」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 14画

(旧字)
18画

[字音] ゾウ(ザウ)
[字訓] くら・かくす・たくわえる

[説文解字]

[字形] 形声
旧字はに作り、臧(ぞう)声。〔説文新附〕一下に「(かく)すなり」と訓する。徐鉉の案語に「書にじて臧を用ふ。艸に從ふは、後人の加ふるなり」という。〔礼記、檀弓上〕に「なるなり。なるは、人の見るを得ざることを欲するなり」と、葬の義を以て説く。俘囚を祓うときには、死葬の礼を加えることがあるので、臧獲(ぞうかく)の臧の字説として、参考することができよう。には古い字形がなく、その艸に従う意を確かめがたい。倉と声義の関係があるようである。

[訓義]
1. かくす、おさめる、ひそむ。
2. たくわえる、いだく。
3. くら。
4. ふかい、おくぶかい。
5. 臓と通じ、はらわた、ぞうき。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕 カクル・カクス・ヲサム・ツツム・タダ・ヨシ・クラ・トラフ/白地 カクレアソビ

[声系]
(臓)は声であるが、後起の字。古くは五臓にの字を用いた。

[語系]
・臧・dzang、贓tzangは声義近く、臧はおそらくは古い時代には贓物として授受されることがあったのであろう。倉tsangは穀物などを収蔵するところ。も収蔵の意を承ける語であろう。

[熟語]
蔵隠・蔵火・蔵蓋・蔵奸・蔵姦・蔵機・蔵去・蔵・蔵嬌・蔵形・蔵垢・蔵光・蔵昂・蔵窖・蔵・蔵室・蔵収・蔵書・蔵身・蔵跡・蔵拙・蔵蓄・蔵怒・蔵匿・蔵魄・蔵否・蔵府・蔵伏・蔵鋒・蔵埋・蔵名・蔵用・蔵六
[下接語]
愛蔵・隠蔵・蔵・架蔵・家蔵・蓋蔵・含蔵・久蔵・旧蔵・居蔵・巻蔵・庫蔵・行蔵・死蔵・私蔵・自蔵・守蔵・収蔵・所蔵・深蔵・尽蔵・潜蔵・退蔵・蓄蔵・貯蔵・蔵・珍蔵・内蔵・秘蔵・備蔵・封蔵・伏蔵・腹蔵・覆蔵・壁蔵・包蔵・宝蔵・鋒蔵・埋蔵・密蔵・留蔵

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デジタル大辞泉プラス 「蔵」の解説

日本のテレビドラマ放映NHK(1995年6月~7月)。全6回。原作宮尾登美子による同名小説。脚本中島丈博音楽:深草アキ。出演:鹿賀丈史、壇ふみ、高橋惠子、松たか子ほか。酒蔵の娘として生まれた盲目の女性波乱に満ちた人生を描く。

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家とインテリアの用語がわかる辞典 「蔵」の解説

くら【蔵/倉/庫】

穀物・商品・家財などを火災や盗難などから守り、保管しておく建物。

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【チベット自治区】より

…中華人民共和国南西部にある自治区。中国では西蔵自治区と表記される。略称は蔵。…

※「蔵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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