国道一三八号の北側にある。山号は吉積山。時宗。本尊は阿弥陀如来。当寺の寺記によれば養老三年(七一九)行基により開かれて富士山来迎弥陀三尊を安置、富士道場とよばれたと伝える。永仁六年(一二九八、永仁三年とする説もある)遊行二世他阿真教が甲州を巡化した際入山し、天台宗を改め時宗として当寺開基となり、弟子真海を開山とした。永仁年間武田氏の一族一条右衛門大夫吉積を本願として諸堂を再建、これによって吉積山と号した。天文二年(一五三三)三月一六日火災にあい、武田氏・小山田氏の保護で再興されたとされる(以上「甲斐国志」)。
天文一一年一〇月一六日小山田信有から西念寺新門前ともに棟別などを免除され(「小山田信有印判状」西念寺旧蔵文書)、年未詳一一月三〇日の信有の印判状(同文書)でも西念寺侍衆中家一二軒の棟別を免除するとある。小山田氏は永禄一〇年(一五六七)二月二六日にも棟別などを免除している(「小山田信茂印判状」西念寺文書)。
上野山と号し、真宗大谷派。本尊阿弥陀如来。永正一〇年(一五一三)専誓による開基という(貞享二年寺社由緒書上)。しかし当寺では「滝野坊西念寺」と称している。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
茨城県笠間(かさま)市稲田(いなだ)にある浄土真宗系の単立寺院。別格本山。山号は稲田山。本尊は阿弥陀如来(あみだにょらい)。親鸞(しんらん)聖人東国教化の根拠地となった聖跡であり、稲田御坊(ごぼう)、稲田禅房(ぜんぼう)ともいう。1211年(建暦1)、越後(えちご)流罪を解かれた親鸞が、領主稲田九郎頼重(よりしげ)に招請され、以後約20年間この地に草庵(そうあん)を結び、主著『教行信証(きょうぎょうしんしょう)』を著したので、立教開宗の聖地とされる。出家して宗祖の弟子となり教養坊と改名した稲田頼重を開基とする。1304年(嘉元2)4世宗慶のときに西念寺と称し、江戸時代以後は徳川家代々の外護(げご)を受けて寺格も高かった。1871年(明治4)水戸天狗党(みとてんぐとう)事件の兵火で堂宇を焼失するが、のち再建された。境内には宗祖廟所(びょうしょ)、親鸞の伝説にまつわる御杖杉(おつえすぎ)などがある。4月14~18日の結縁(けちえん)大法会は盛大。寺宝に宗祖真影、真筆などがある。
[大鹿実秋]
茨城県笠間市稲田にある浄土真宗の寺。山号は稲田山。稲田御坊と称する。開山は親鸞,開基は稲田頼重,開創年代は1217年(建保5)と伝えている。本尊は阿弥陀如来。親鸞が越後から常陸に移住したおり,この地で約10年布教をし,ここで主著《教行信証》が撰述された。江戸時代には朱印寺領30石を抱え,常陸国浄土真宗の中では大寺であった。
執筆者:中根 和浩
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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