面皮(読み)めんぴ

精選版 日本国語大辞典 「面皮」の意味・読み・例文・類語

めん‐ぴ【面皮】

〘名〙
つらかわ
※正法眼蔵(1231‐53)面授「換面に面授し、回頭に面授あらんは、面皮厚三寸なるべし。面皮薄一丈なるべし。すなはちの面皮、それ諸仏大円鏡なるべし」
世間の人に対する面目。世間への顔向け。
蔭凉軒日録‐文明一九年(1487)六月二〇日「隆云、為上意勤之由被仰出者可勤。為鹿苑院之面皮私義白、不勤之義也云々」
浮世草子・世間御旗本容気(1754)二「御所様御附の御徒浪人は盗賊かたり同前に江戸中にて評判致し、拙者共面皮にかかり候間」
③ へつらい。
結城氏新法度(1556)八七条「嗜み者奇特とうときなとと、めんひにてとなへたて候」

つら‐の‐かわ ‥かは【面皮】

〘名〙
顔面表皮。つらかわ。
史記抄(1477)一六日本に人を罵るにつらの皮をはっつけにして、くれいてなんととては面皮をはいて張て置事か罪科の条にありけなそ」

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デジタル大辞泉 「面皮」の意味・読み・例文・類語

めん‐ぴ【面皮】

つらの皮。「鉄面皮
世間に対する面目。体面
「実を吐けば合さるべき―は無い」〈露伴・辻浄瑠璃〉
[類語](2名聞面目めんぼく体面面子メンツ一分いちぶん沽券こけん声価信用信望しん信頼信任人望定評評判暖簾のれん覚え名望声望徳望人気魅力受け名声美名見栄みえ世間体体裁肩身

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普及版 字通 「面皮」の読み・字形・画数・意味

【面皮】めんぴ

つらの皮。〔裴子語林、輯本下〕賈充、孫に問うて曰く、何を以てか、好んで人の面皮を剝(は)ぐと。曰く、其の顏の厚きをめばなりと。

字通「面」の項目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「面皮」の意味・わかりやすい解説

面皮
めんかわ

柱の四隅の面にだけ樹皮を残す手法,またはその柱。一般に日本建築では丸柱角柱が使われるが,近世になると茶室や数寄屋風建築などに自然のままの材料が好まれ,意匠上の趣向から面皮柱が多く用いられた。

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