おもちゃの一種。もとは粘土を焼いた直径3cmほどのもので,〈めんがた〉あるいは〈泥めんこ〉と呼ばれた。面,つまり人の顔や紋が面型でぬいてある。江戸時代につくられたもので,《嬉遊笑覧》には瓦の模(かた)に土を入れてぬく〈面模〉と,芥子(けし)面(指先ほどの小さな彩色した面)から発展した〈面打(めんうち)〉があると記されている。このころには穴一(あないち)やビー玉のような遊び方をしていたが,明治10年代に薄い鉛製のめんこが登場した。これは大衆に普及した金属製遊具の最初のものであり,まためんこ遊び特有の,相手を反転させる〈起こし〉を生み出した。しかし鉛害が問題になり,明治30年代には印刷した紙を板紙にはりつけた紙めんこが考案された。紙めんこは色彩が美しく大きさも自由で,初めは丸形(丸面)で,径1.5cmくらいから20cmくらいのものまであった。のちには小判形,角形,力士形(相撲面)のものも現れたが,丸面が主流をなしていた。絵柄も歴史上の武将を錦絵風にあつかったものから発展して,スポーツ,漫画,映画の人気者が描かれるようになった。めんこという呼称は東京地方を中心とするもので,遊び方,名称とも時代,地方によって異なり,別称は250を超す。
執筆者:半澤 敏郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…駄菓子類とともに,番小屋商売からのなごりともいえる,ごく日常的な雑貨を置く店もあったが,商品はおおむね子どもたちの遊びのための必需品であった。めんこ,べいごま,ガラスのおはじきや石蹴り玉,ほかに夏は花火,冬はたこ(凧)や羽根を売っていた。〈あてもの〉というのは,小さな辻占のような紙片を巻きこんだものがいっぱい貼りつけてあり,金を払ってそれをむき,うまく当りが出ると元手のなん倍かの価のものがもらえるというものだった。…
※「面子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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