頼り無い(読み)タヨリナイ

デジタル大辞泉 「頼り無い」の意味・読み・例文・類語

たより‐な・い【頼り無い】

[形][文]たよりな・し[ク]
たよりにならない。あてにならない。心もとない。「―・い返事」「―・い人」
たよりになるものがない。
由縁ゆかりの人を失い、―・き身となりしにつけ」〈逍遥当世書生気質
[派生]たよりながる[動ラ五]たよりなげ[形動]たよりなさ[名]
[類語]おぼつかない杞憂悲観恐れる不安胸騒ぎ気がかり心がかり不安心心細い心許こころもとない物思い心配心痛心労懸念恐れ憂慮危惧きぐ疑懼ぎく憂い気遣いわずら危なっかしいおののく心騒ぎ煩慮憂惧ゆうぐ憂懼ゆうく憂い事気遣わしい痛心動揺鬼胎ひやひやはらはらどきどきおどおどあぶなあぶな恐る恐るこわごわおっかなびっくりおじおじおずおずびくびくこわがる臆するおびえるびくつくおじるおじける恐怖恐れをなす悪びれる案ずる気が気でないそぞろ足が地につかない気が揉める居ても立ってもいられない矢も楯もたまらない居たたまれない生きた心地もしない気になる気に病む

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精選版 日本国語大辞典 「頼り無い」の意味・読み・例文・類語

たより‐な・い【頼無・便無】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]たよりな・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. たよりとして身をまかすことのできるものがない。たのみにするところがない。よるべきものがない。孤立して心細い状態である。
    1. [初出の実例]「女、親なくたよりなくなるままに」(出典:伊勢物語(10C前)二三)
    2. 「返さんとするも叶はず、防がんとするも便(タヨ)りなし」(出典太平記(14C後)八)
  3. 大丈夫という安心感がない。たしかである確信が得られない。しっかりした手応えがない。たのみにならない。あてにならない。また、粗末である。
    1. [初出の実例]「尋常の人にて御坐すとみまいらすれば、器物なんど便(タヨリ)(〈注〉ビン)なうて」(出典:米沢本沙石集(1283)一〇末)
    2. 「朽木のたよりなき丸太を二つ三つ四つならべてなげわたし」(出典:浮世草子・好色五人女(1686)五)

頼り無いの派生語

たよりな‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

頼り無いの派生語

たよりな‐さ
  1. 〘 名詞 〙

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