怖じる(読み)オジル

デジタル大辞泉 「怖じる」の意味・読み・例文・類語

お・じる〔おぢる〕【怖じる】

[動ザ上一][文]お・づ[ダ上二]こわがる。びくびくする。「物の影に―・じる」
[類語]恐れるこわがるおくするおびえるびくつくびくびくするおどおどするおじける恐怖する恐れをなす悪びれる不安考え事思案物思い心配気疲れ気苦労心痛心労懸念恐れ憂慮取り越し苦労杞憂悲観危惧きぐ危懼きく疑懼ぎく胸騒ぎ気がかり心がかり不安心心細い心許こころもとない憂い気遣いわずら怖い危なっかしいおぼつかない頼り無いおののく動揺心騒ぎ煩慮憂惧ゆうぐ憂懼ゆうく憂い事気遣わしい痛心鬼胎ひやひやはらはらどきどきあぶなあぶな恐る恐るこわごわおっかなびっくりおじおじおずおず案ずる気が気でないそぞろ足が地につかない気が揉める居ても立ってもいられない矢も盾もたまらない居たたまれない生きた心地もしない気になる気に病むひるしりごみたじろぐたじたじ怖気付くびびる鼻白む

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精選版 日本国語大辞典 「怖じる」の意味・読み・例文・類語

お・じるおぢる【怖】

  1. 〘 自動詞 ザ上一(ダ上一) 〙
    [ 文語形 ]お・づ 〘 自動詞 ダ上二段活用 〙 おそれる。こわがる。驚きおびえる。
    1. [初出の実例]「雷(いかづち)の光の如きこれの身は死(しに)大王(おほきみ)常にたぐへり於豆(オヅ)べからず」(出典:仏足石歌(753頃))
    2. 「人のあまたのぼりゐたるにおぢて巣にものぼりこず」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))

怖じるの語誌

( 1 )「驚く」などと語源的な関わりがあり、「恐る」が意識的・精神的であるのに対して、どちらかといえば反射的・無意識的・身体的反応をいう。中古まで「恐る」が文章語であったのに対して、口頭語として盛んに用いられたが、中世以後「恐る」が意味を広げながら一般化してきたのに伴って、次第に衰えてゆく。
( 2 )衰退要因には、「恐る」に対する「恐ろしい」のような対応する形容詞が「おづ」にはなく、中世に恐怖の意をもつようになった「こはし」と対応をもつ「こはがる」にその座を譲ったことも考えられる。→「おそれる(恐)」の語誌

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