はらはら(読み)ハラハラ

デジタル大辞泉 「はらはら」の意味・読み・例文・類語

はら‐はら

[副](スル)
1 小さいものや軽いものが、静かに続けて落ちかかるさま。「涙をはらはら(と)落とす」「花びらがはらはら(と)散る」
2 髪が垂れかかるさま。「後れ毛がはらはらと肩にかかる」
3 成り行きを危ぶんで気をもむさま。「わが子の初舞台をはらはらしながら見守る」
4 多くのものがいっせいに動くさま。
「河に―とうち入りて渡りけるに」〈今昔・三一・一一〉
5 物が触れ合ってたてる音を表す語。
「衣きぬの音なひ―として」〈源・帚木〉
6 物がはじけて発する音を表す語。
「焚たかるる豆がらの―と鳴る音は」〈徒然・六九〉
[類語](1)ほろほろ・ぽろぽろ・ぽたぽた・ぽとぽと・ぼろぼろ・ぼたぼた・ぼとぼと・だらだら・たらたら・ぽつぽつ・ぱらぱら・ばらばら・ぽろり・ほたほた・ぽつり・ぽつりぽつり・ぽつん・はらり・ぱらり・ほろり・ぽたり・どくどく・たらり・ちょろちょろ・ちょろり・とくとく・したたり・だくだく・ぽとり・滴る・滴り落ちる・垂らす・垂れる・こぼれる・ほとばしる・あふれる/(3)不安・考え事・思案・物思い・心配・気疲れ・気苦労・心痛・心労・懸念・恐れ・憂慮・取り越し苦労・杞憂・悲観・恐れる・危惧きぐ・危懼きく・疑懼ぎく・胸騒ぎ・気がかり・心がかり・不安心・心細い・心許こころもとない・憂い・気遣い・煩わずらい・怖い・危なっかしい・おぼつかない・頼り無い・おののく・動揺・心騒ぎ・煩慮・憂惧ゆうぐ・憂懼ゆうく・憂い事・気遣わしい・痛心・鬼胎・ひやひや・どきどき・おどおど・あぶなあぶな・恐る恐る・こわごわ・おっかなびっくり・おじおじ・おずおず・びくびく・恐れる・こわがる・臆おくする・おびえる・びくつく・おじる・おじける・恐怖する・恐れをなす・悪びれる・気が気でない・そぞろ・足が地につかない・気が揉める・居ても立ってもいられない・矢も楯もたまらない・居たたまれない・生きた心地もしない・気になる・気に病む・気を病む・案ずる

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精選版 日本国語大辞典 「はらはら」の意味・読み・例文・類語

はら‐はら

  1. 〘 副詞 〙 ( 多く「と」を伴って用いる )
  2. [ 一 ] 物の音にいう。
    1. ① 布、紙などが連続してすれ合う音を表わす語。
      1. [初出の実例]「そよそよはらはらと沓(くつ)すりて」(出典:落窪物語(10C後)二)
    2. ② いっせいに動く音、また、そのさまを表わす語。
      1. [初出の実例]「河にはらはらと打入て渡けるに」(出典:今昔物語集(1120頃か)三一)
    3. ③ 物が砕けたりこわれたりする音、また、そのさまを表わす語。
      1. [初出の実例]「猪の牙を食出たるが、石をはらはらと食ば」(出典:今昔物語集(1120頃か)二〇)
    4. ④ 物が焼けてつぎつぎにはぜる音を表わす語。ぱちぱち。
      1. [初出の実例]「雀をはらはらとあぶりて」(出典:中外抄(1137‐54)保延四年四月七日)
    5. ⑤ 物が壊れたり、破れたり、また、人が倒れたりするさまを表わす語。〔名語記(1275)〕
      1. [初出の実例]「先に進んだる鋭卒とも、将棊たをしをするごとく、五六百騎はらはらと射たをされければ」(出典:信長記(1622)八)
  3. [ 二 ] 物が落ちたり、下がったりするさまにいう。
    1. ① 長い髪がきれいにそろってとかれているさまを表わす語。
      1. [初出の実例]「御ぐしの乱れたる筋もなく、はらはらとかかれる枕の程」(出典:源氏物語(1001‐14頃)葵)
    2. ② 髪が乱れるさまを表わす語。
      1. [初出の実例]「肩のあたり鬢のおくれ毛はらはらとぞみだれたる」(出典:龍潭譚(1896)〈泉鏡花〉九つ谺)
    3. ③ 涙の流れるさま、また、泣くさまを表わす語。
      1. [初出の実例]「はらはらと落つる涙ぞあはれなるたまらず物の悲しかるべし」(出典:山家集(12C後)中)
    4. ④ 雨の降るさま、露の落ちるさまなどを表わす語。
      1. [初出の実例]「俄かに雨はらはらと降りきて」(出典:経信母集(11C中か))
    5. ⑤ 木の葉や紙などが舞い落ちるさまを表わす語。
      1. [初出の実例]「今はかうよと落(おつ)る軍場(いくさば) はらはらと木(こ)の葉衣(はごろも)に笠着山〈宗因〉」(出典:俳諧・誹諧独吟集(1666)下)

はらはらの補助注記

江戸時代までの写本・版本では、濁点を厳密に付していないことが多いので、原文に「はらはら」とあっても、ハラハラ・パラパラ・バラバラのいずれを表わしたのか決定できない。


はら‐はら

  1. 〘 副詞 〙 気をもみ危ぶむさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「手をあてて、はらはらするてい」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二)

はら‐はら

  1. 〘 名詞 〙 鮞(はららご)をいう女房詞。〔女中言葉(1712)〕

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