普及版 字通 「鳳」の読み・字形・画数・意味
鳳
人名用漢字 14画
[字訓] ほうおう・おおとり
[説文解字]
[甲骨文]
[字形] 形声
声符は(凡)(はん)。卜文の字形にはを加えないものがあり、その字は〔説文〕にみえる古文の字形に似ている。もと風の意に用い、卜文は鳥形にの声符を加える。風はこの鳳の飛翔によって生じ、四方の方神に、天馳せ使いとして仕える風神があり、四方の風神にそれぞれの神名があった。鳳が神鳥とされるのは、その伝承による。〔説文〕四上に「鳥なり。天老曰く、鳳の象なり」としてその異相を列挙し、東方君子の国より出て、四海の外に翔(こうしよう)し、崘(こんろん)より西して弱水に羽を濯(あら)い、(くれ)に風穴に宿るという。四方風神のことは〔山海経〕にもみえ、また〔書、尭典〕に四方羲和(ぎか)の治とされるもののうちに、風神の名が残されている。瑞鳥鳳凰のことは〔詩、大雅、巻阿(けんあ)〕に「鳳皇鳴きぬ 彼の高岡に 梧桐生ず 彼の陽に」と歌われている。〔巻阿〕は〔万葉〕の吉野遊幸のような性質の詩である。
[訓義]
1. ほうおう。
2. 鵬(ほう)と通じ、おおとり。
[語系]
鳳bium、(鵬)bngは声近く、卜文の字形によって考えると、もと同源の字である。〔荘子、逍遥遊〕にみえる鵬は、モンスーン地帯における颱風(たいふう)現象を背景とする説話であろう。風piumはその神話的性格を失って、分化した語とみられる。
[熟語]
鳳鞋▶・鳳▶・鳳幃▶・鳳羽▶・鳳楹▶・鳳掖▶・鳳苑▶・鳳凰▶・鳳音▶・鳳駕▶・鳳蓋▶・鳳冠▶・鳳管▶・鳳銜▶・鳳紀▶・鳳儀▶・鳳挙▶・鳳髻▶・鳳穴▶・鳳闕▶・鳳語▶・鳳釵▶・鳳姿▶・鳳字▶・鳳児▶・鳳車▶・鳳▶・鳳笙▶・鳳詔▶・鳳城▶・鳳吹▶・鳳雛▶・鳳藻▶・鳳団▶・鳳竹▶・鳳鳥▶・鳳笛▶・鳳頭▶・鳳徳▶・鳳尾▶・鳳舞▶・鳳餠▶・鳳鳴▶・鳳毛▶・鳳門▶・鳳友▶・鳳輿▶・鳳翼▶・鳳鸞▶・鳳侶▶・鳳▶・鳳暦▶・鳳輦▶・鳳楼▶
[下接語]
鳳・玄鳳・孤鳳・綵鳳・鳳・祥鳳・翔鳳・神鳳・翠鳳・瑞鳳・雛鳳・対鳳・丹鳳・鳳・銅鳳・鳴鳳・翼鳳・鸞鳳・竜鳳・鳳・霊鳳・鳳
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報