デジタル大辞泉
「治」の意味・読み・例文・類語
ち【治】
1 世の中がよくおさまっていること。また、おさまるようにすること。「延喜の治」
2 まつりごと。政治。「徳川一五代の治」
3 病気をなおすこと。
「風の―どもをせさせ給ふ」〈栄花・玉の村菊〉
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じ‐・する ヂ‥【治】
(「ちする」とも)
[1] 〘自サ変〙 ぢ・す 〘自サ変〙
※南蛮寺物語(1638頃)「此も
のどもこんじゃうのや
まいは、此りゃうじにてじすれども」
② おさまる。
[2] 〘他サ変〙 ぢ・す 〘他サ変〙
① 病気をなおす。治療する。いやす。
※
蜻蛉(974頃)中「これをぢせむやうは、おもてに水なむいるべきとみる」
※
太平記(14C後)二五「風を治
(チ)する薬には、牛黄金虎丹、辰沙天麻円を合せて御療治候べし」
② 国を統治する。治める。平定する。
※
平家(13C前)九「漸々
(やうやう)にかたきをほろぼして、
天下を治する事を得たりき」
※
源平盛衰記(14C前)三九「頼朝に仰合
(おほせあは)せずして、
出家の暇を免さん事難
レ治の由仰せ下されければ」
④ しらべただす。とりしらべて処分する。
ち【治】
〘名〙 (「ぢ」とも)
① 世の中のよくおさまること。よい政治が国中にゆきわたること。また、そのようにすること。
善政。治世。太平。
※太平記(14C後)一三「次には乱を鎮め治を致す謀を以て」 〔書経‐蔡仲之命〕
② 国をおさめること。政治。まつりごと。
※清国に対する
宣戦の
詔勅‐明治二七年(1894)八月一日「
文明の化を平和の治に求め、事を外国に構ふるの極めて
不可なるを信し」
③ 中国で、
官庁の所在地。〔
劉禹錫‐右僕射史公神道碑〕
④ 病気をなおすこと。治療。療治。また、病気がなおること。平癒。
快癒。
※栄花(1028‐92頃)玉の村菊「風重くおはしますとて風の治どもをせさせ給ふ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報