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グロテスク グロテスク grotesque

翻訳|grotesque

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

グロテスク
グロテスク
grotesque

人物,動物,花,果物などを含むアラベスク文様の一名称。イタリア・ルネサンス期にネロの黄金宮殿が発掘され,そのグロッタに人物や動物の足が植物と化した唐草文や,怪鳥が飛びかうなかに草花を散りばめた奇抜な壁面装飾を施したものが発見された。

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デジタル大辞泉の解説

グロテスク(〈フランス〉・〈英〉grotesque)

[名]異様な人物や動植物などに曲線模様をあしらった装飾文様。古代ローマに始まる。
[形動]ひどく異様なさま。怪奇なさま。異様。グロ。「グロテスクな形」
[補説]書名別項。→グロテスク

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百科事典マイペディアの解説

グロテスク

〈怪奇〉〈幻想的〉〈滑稽〉などの意の英語,フランス語イタリア語grotteschiに由来し,本来ルネサンス期に地下遺構(グロッタ)から出土した古代の文様をいう。
→関連項目アラベスク(美術)フローリス[一族]

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世界大百科事典 第2版の解説

グロテスク【grotesque】

怪異な,奇妙な,こっけいな,といった意味の英語,フランス語。元来は古典古代の装飾文様の一種で,唐草模様の中に人間や動物や植物や空想上の生物を奇想風にあしらったものをさす。15世紀末にローマで発掘された地下遺跡(グロッタ)で見つかったところから,イタリア語で〈グロッテスキgrotteschi〉と名づけられたのにはじまり,この発見に刺激されて流行をみたルネサンスやバロックの装飾術から,やがては造形芸術のみならず広く文学や思想表現一般に通じる概念として用いられるようになった。

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大辞林 第三版の解説

グロテスク【grotesque】

( 形動 )
異様で気味の悪いさま。不快になるほど異常なさま。グロ。 「 -な姿」
装飾文様の一。怪異な人物や生物などを曲線模様にからませた文様。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

グロテスク
ぐろてすく
grotesque 英語 フランス語

一般的には、怪奇な、気味悪い、ぎょうぎょうしく風変わりな、などの意味をもつ形容詞であるが、美術用語としては、西洋の装飾モチーフの一つで、異様な人物、動植物、鳥や虫、楽器や文房具、仮面などの形象を曲線でつないだ文様をさす。その呼称は、古代ローマの庭園にしばしばつくられた人工の洞窟(どうくつ)(グロッタ)に由来する。グロテスクは、ルネサンス期のイタリアで、室内装飾、家具、織物や陶器の装飾モチーフとして流行し、16世紀以降、ヨーロッパ全域に広まった。ラファエッロによる、バチカン宮ロッジア(建物の内部につくられたアーケード)の壁面はグロテスクの典型とされ、多くの模倣作を生んだ。
 17世紀ごろから、グロテスクは、文様についてのみでなく、文芸上の一つの概念や性格を表す語としても使われるようになった。シュレーゲル、ジャン・パウル、ユゴーなどのロマン主義者は、グロテスクを、古典的な形式美に対立する新しい美的概念として重視した。コメディア・デラルテのような民衆劇の誇張された演技、ボッシュやカロの絵画がもつ無気味さなどが、この観点から再評価された。今日では、グロテスクは、不可解な内的世界を顕在化するものとして、文学、芸術の重要な一面となっている。[友部 直]

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世界大百科事典内のグロテスクの言及

【アラベスク】より

…アラベスクはさらに西欧中世の写本装飾に影響を与える一方で,ペルシア,インドを通じて中国,日本にまで及び,牡丹唐草文など種々の花模様へと変容してゆく。一方,ルネサンス時代にローマで古代遺跡が発掘されるに及び,ヘレニズム期,古代ローマ時代のグロテスク文様もまた,アラベスクの概念に含められた。古代遺跡の多くは,たとえばネロのドムス・アウレア(黄金の家)の場合のように地下に埋もれて洞窟(グロッタ)の観を呈していたので,その壁面装飾の文様をグロテスクと呼んだのである。…

【グロッタ】より

…他方,湧水のある洞窟は中世キリスト教世界ではマリア信仰と結びついていたため,グロッタには古代的な記憶と同時にマリア信仰も重ね合わされ,複雑な性格を帯びる。さらにグロテスクと呼ぶ装飾絵画の一分野が結びつき,建物内部の浴室のような小房をグロッタに見たてる風潮も現れ,これらを通じてさまざまな象徴的表現手法や,貝殻浮彫のような装飾細部が造り出された。グロッタ趣味は,古典的建築や庭園の技法のなりたちを知る手がかりであると同時に,ヨーロッパ人の自然観形成の一契機としても重要なものである。…

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