一散(読み)イッサン

デジタル大辞泉 「一散」の意味・読み・例文・類語

いっ‐さん【一散/逸散】

多く「一散に」の形で副詞的に用いる)
わき目もふらず一生懸命に走ること。一目散いちもくさん。「―に駆けつける」
急速に事態が進行すること。
「静かな空をじりじりと移って行く日が傾いたかと思うと―に落ちはじめた」〈長塚
[類語]ひたすらいちずひたむき一筋ただただただ専一ひとえに一心一念一路一目散一直線一本槍一点張り一辺倒一意専心営営せっせ遮二無二無二無三がむしゃら一心不乱脇目も振らずすたこらすたすたすたこらさっさ足早まっしぐらしゃかりきしゃにむに無心粉骨砕身無我夢中熱中夢中直線的専心専念没入没頭没我傾注傾倒猪突猛進ストレート我を忘れるこんを詰める身を入れる身を砕く心血を注ぐ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「一散」の意味・読み・例文・類語

いっ‐さん【一散・逸散】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「に」を伴って副詞的に用いられる場合が多い )
  2. わき目もふらずに急ぐこと。急いで走ったり、馬を走らせたりすること。一目散。
    1. [初出の実例]「関柴が城へ一さんに押し寄せ」(出典:蘆名家記(1598頃)一)
    2. 「後振り向いて見ては又一散に食ひ入った」(出典:くだもの(1901)〈正岡子規〉)
  3. 事態が急に進むさま。
    1. [初出の実例]「静かな室をぢりぢりと移って行く日が傾いたかと思ふと一散に落ちはじめた」(出典:土(1910)〈長塚節〉三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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