遮二無二(読み)しゃにむに

四字熟語を知る辞典「遮二無二」の解説

遮二無二

後先を考えず、何も気にせずに物事に向かう様子。むやみに。めったやたらに。

[使用例] 実際角力すもうに勝ちたいというより、私の気持では自分の強さを父に感服させたい方だった。私は突返されるたびに遮二無二ぶつかって行った[志賀直哉*暗夜行路|1921~37]

[使用例] クラバックはこの河童たちを遮二無二左右へ押しのけるが早いか、ひらりと自動車へ飛び乗りました[芥川龍之介*河童|1927]

[使用例] 満足に駆けることもできない頃だった。勇の食べていたせんべいを年上の男の子が奪った。勇はしゃにむにむしゃぶりついたが、強い力で振り払われていた[高橋三千綱*九月の空|1978]

[解説] 「しゃにむに」が現れるよりも少し前、江戸前期から「しゃりむり」ということばがあります。これが「しゃにむに」の元の形と考えられます。「遮二無二」は当て字です。
 「しゃりむり」の語源ははっきりしませんが、「むり」は「無理」でしょう。それに調子を整える「しゃり」をつけたと考えられます。「しゃりむり」は、現代でも東北方言に残っています。
 現代語では、東北方言から一般化した「無理くり」(=無理やり)ということばもあります。この「くり」も調子を整えることばと考えられます。
 「しゃりむり」が「しゃにむに」と変化した結果、最後の「に」が形容動詞の語尾と解釈されて、「しゃにむな」という形も現れました。「勝つためのしゃにむな練習」といった例が書籍に現れ、誤りと批判されたりしています。
 もっとも、現在、インターネット上の例を見るかぎり、「しゃにむな」の使用例は多くはありません。新語として広まるまでには至っていないようです。

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精選版 日本国語大辞典「遮二無二」の解説

しゃに‐むに【遮二無二】

〙 (「しゃりむり」の変化した語か)
① なにごとも気にかけないでがむしゃらにやるさまを表わす語。むやみに。めったやたらに。
※談義本・地獄楽日記(1755)二「ならぬ事をしゃにむにせんとすれば、其望のかなはぬのみにあらず」
② ある感情が激しくつのってくるさまを表わす語。やたらと。むしょうに。
※この子(1896)〈樋口一葉〉「遮二無二(シャニムニ)旦那さまを恨みました」

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デジタル大辞泉「遮二無二」の解説

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