唯唯(読み)いい

精選版 日本国語大辞典 「唯唯」の意味・読み・例文・類語

い‐い ヰヰ【唯唯】

[1] 〘感動〙 かしこまって承諾する時の応答ことば。はい。
太平記(14C後)一六「衆愚之愕々たるは、一賢之唯々(イイ)には如かず」
※近世紀聞(1875‐81)〈染崎延房〉七「又返すべき辞(ことば)もなく唯々(イイ)と答へて退きける」 〔戦国策‐秦策・昭襄王〕
[2] 〘形動タリ〙 (多く「唯唯として」の形で用いる) 他人のことばに少しもさからわずに従うさま。他人の言うがままになるさま。唯々諾々(いいだくだく)
読本椿説弓張月(1807‐11)後「時員(ときかず)唯々(イイ)として別を告(つげ)」 〔韓非子‐八姦〕

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デジタル大辞泉 「唯唯」の意味・読み・例文・類語

ただ‐ただ【唯/××只】

[副]ただ」を強めていう語。ひたすら。もっぱら。「―みごとというほかはない」「―友の無事を祈る」
[類語]ひたすらいちずひたむき一筋ただ専一ひとえに一心一念一路一散一目散一直線一本槍一点張り一辺倒一意専心営営せっせ遮二無二無二無三がむしゃら一心不乱脇目も振らずまっしぐらしゃかりきしゃにむに無心粉骨砕身無我夢中熱中夢中直線的専心専念没入没頭没我傾注傾倒猪突猛進ストレート我を忘れるこんを詰める身を入れる身を砕く心血を注ぐ

い‐い〔ヰヰ〕【唯唯】

[ト・タル][文][形動タリ]他の意見に従って少しも逆らわないさま。「唯唯として従う」
[感]かしこまって了承するときの応答の語。はい。
「疑ひ無きゆゑに―とこたへ給ふ」〈都鄙問答・三〉

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普及版 字通 「唯唯」の読み・字形・画数・意味

【唯唯】いい(ゐゐ)

かしこまった返事。〔史記、趙世家〕舍死す。~子曰く大夫(てう)するも、徒(た)だ唯唯を聞くのみ。舍の諤諤(がくがく)を聞かず。

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