デジタル大辞泉
「件」の意味・読み・例文・類語
くだん【▽件】
《「くだり(件)」の音変化。1、2はふつう「くだんの」の形で用いる》
1 前に述べたこと。例の。くだり。「件の用件で話したい」
2 いつものこと。例のもの。
「―の売卜者の行灯が」〈鏡花・婦系図〉
3 頭が人、体が牛の形をした妖怪。疫病の流行や災害などについて予言するといわれる。→予言獣
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
Sponserd by 
くだん【件】
- 〘 名詞 〙 ( 「くだり(件)」の変化した語。ふつう、「くだんの」の形で連体詞的に用いる )
- ① 前に述べた事柄を、読者や聞き手がすでに承知しているものとして、さし示す語。「の」を伴った形で、前に述べた、さっきの、例の、の意に用いる。→件の如し。
- [初出の実例]「天皇、此の事を聞き給て、宣旨を下して、件(くだん)の僧を召す」(出典:今昔物語集(1120頃か)一三)
- ② その行動、状態などが人々によく知られているものとして、その事柄をさし示す語。「の」を伴った形で、例の、いつもの、あの、の意に用いる。
- [初出の実例]「さやうの論をすべきやうなし。件のさまたげ止させ給ふべく候」(出典:吾妻鏡‐元暦二年(1185)一月六日)
- 「鶴、件のくちばしを伸べ、狼の口をあけさせ、骨をくはへて」(出典:仮名草子・伊曾保物語(1639頃)中)
- ③ なにかさしさわりがあって、はっきりことばで表わすのを避けるときに用いる語。あれ。例のもの。
- [初出の実例]「五六尺ばかりなるくちなは、いづくよりかきたりつらん、件のかしらにあやまたずくひつきにけり」(出典:古今著聞集(1254)二〇)
けん【件】
- [ 1 ] 〘 名詞 〙 問題としてとりあげられた、ある特定のことがら。
- [初出の実例]「其折御相談の件本日当銀行重役に談じ候」(出典:社会百面相(1902)〈内田魯庵〉虚業家尺牘数則)
- [ 2 ] 〘 接尾語 〙 事柄を数えるのに用いる。〔俚言集覧(増補)(1899)〕〔汪元量‐湖州歌〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
Sponserd by 
普及版 字通
「件」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
Sponserd by 
件(くだん)
日本の妖怪。半人半牛の姿で、生まれて数日の間に災害や疫病の予言をし、言い終えると死んでしまうとされる。
出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報
Sponserd by 