デジタル大辞泉 「件」の意味・読み・例文・類語 くだり【▽件/▽条】 《「下くだり」と同語源》1 文章における記述の一部分。章。条。段。「冒頭の―がよく書けている」2 前に述べた事柄。くだん。「上の―啓せさせけり」〈大和・一六八〉[類語]部分・箇所かしょ・ところ・部位・一部・一部分・局部・局所・細部・断片・一端いったん・一斑いっぱん・一節いっせつ・パート・セクション・点・事項・項目・費目・儀 けん【件】 [名]事柄。特に、問題になる、ある特定の事柄。「例の件は承知しました」[接尾]助数詞。事柄・事件などを数えるのに用いる。「問題は三件ある」[類語]部分・問題・案件・一件・本件・別件・事案・懸案・課題・題目・本題・論題・論点・争点・テーマ・プロブレム けん【件】[漢字項目] [音]ケン(漢) [訓]くだり くだん[学習漢字]5年事柄。「件数・件名/案件・雑件・事件・条件・物件・与件・用件・要件」[名のり]かず・なか・わか くだん【▽件】 《「くだり(件)」の音変化。1、2はふつう「くだんの」の形で用いる》1 前に述べたこと。例の。くだり。「件の用件で話したい」2 いつものこと。例のもの。「―の売卜者うらないの行灯が」〈鏡花・婦系図〉3 頭が人、体が牛の形をした妖怪。疫病の流行や災害などについて予言するといわれる。→予言獣 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「件」の意味・読み・例文・類語 くだん【件】 〘 名詞 〙 ( 「くだり(件)」の変化した語。ふつう、「くだんの」の形で連体詞的に用いる )① 前に述べた事柄を、読者や聞き手がすでに承知しているものとして、さし示す語。「の」を伴った形で、前に述べた、さっきの、例の、の意に用いる。→件の如し。[初出の実例]「天皇、此の事を聞き給て、宣旨を下して、件(くだん)の僧を召す」(出典:今昔物語集(1120頃か)一三)② その行動、状態などが人々によく知られているものとして、その事柄をさし示す語。「の」を伴った形で、例の、いつもの、あの、の意に用いる。[初出の実例]「さやうの論をすべきやうなし。件のさまたげ止させ給ふべく候」(出典:吾妻鏡‐元暦二年(1185)一月六日)「鶴、件のくちばしを伸べ、狼の口をあけさせ、骨をくはへて」(出典:仮名草子・伊曾保物語(1639頃)中)③ なにかさしさわりがあって、はっきりことばで表わすのを避けるときに用いる語。あれ。例のもの。[初出の実例]「五六尺ばかりなるくちなは、いづくよりかきたりつらん、件のかしらにあやまたずくひつきにけり」(出典:古今著聞集(1254)二〇) けん【件】 [ 1 ] 〘 名詞 〙 問題としてとりあげられた、ある特定のことがら。[初出の実例]「其折御相談の件本日当銀行重役に談じ候」(出典:社会百面相(1902)〈内田魯庵〉虚業家尺牘数則)[ 2 ] 〘 接尾語 〙 事柄を数えるのに用いる。〔俚言集覧(増補)(1899)〕〔汪元量‐湖州歌〕 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by
普及版 字通 「件」の読み・字形・画数・意味 件常用漢字 6画 [字音] ケン[字訓] わかつ・くだり[説文解字] [字形] 会意人+牛。六朝末、唐宋以後に用いる。〔説文〕人部八上の部末に「なり。人に從ひ、牛に從ふ。牛は大物なり。故につべし」とみえるが、〔段注〕にこれを後添の文とし、「按ずるに下に云ふ、物中するなり。牛に從ふと。件は乃ちの體なり」として、その条を刪(けず)っている。の誤体としても、件の声義を得ることはできない。〔説文〕の文はそのまま〔玉〕にも引かれており、そのような説解があったものと思われる。〔北史、郎基伝〕「に條件して臺省に申す」とあり、案件として扱う意である。[訓義]1. わかつ、物ごとにわかつ、区別する。2. くだり、すじ、わかちかぞえる。3. 国語のくだんは、くだりの音便化した語。また、はらう、すつの訓がある。[古辞書の訓]〔新字鏡〕件 波良不(はらふ)、、加須豆(かきすつ)、、於志須豆(おしすつ)、、尓波々志(にぎははし) 〔名義抄〕件 クダムノ・ワカツ・ヒトシ・キラフ・クチ・ハラフ・カキスツ・スクナシ・ユヅル 〔字鏡集〕件 ワカツ・キラフ・ヒトシ・ヲシフ・ノチ・クダンノ・カドハシラ・クツログ[熟語]件挙▶・件件▶・件数▶・件頭▶・件物▶・件別▶・件目▶[下接語]案件・一件・具件・後件・雑件・事件・条件・人件・前件・難件・物件・与件・用件・要件 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報 Sponserd by
デジタル大辞泉プラス 「件」の解説 件(くだん) 日本の妖怪。半人半牛の姿で、生まれて数日の間に災害や疫病の予言をし、言い終えると死んでしまうとされる。 出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報 Sponserd by